F1転向を視野に入れるオワード、スーパーライセンスのルールは「馬鹿げている」と語る

　パトリシオ・オワード（アロー・マクラーレンSP）は、仮にF1へ転向する際にはFIAスーパーライセンスの「馬鹿げた」ルールが障壁になると考えている。

　オワードは昨年のインディカーシリーズで2勝をあげ、タイトル争いを展開。3位でシーズンを終え、同じマクラーレンからアブダビで行われたF1ポストシーズンテストに参加した。オワードは以前からF1への転向を視野に入れており、F1マシンでの走行後には「言葉にならない」と感動を露わにしていた。

　しかしながら、F1ドライバーとしてシートを掴むために必要なスーパーライセンスポイントをどう稼いでいくかとの質問に対しては「全く分からない。良い質問だね！」と答えた。

「と言うのも、インディカ―シリーズで4位とか3位のドライバーが、スーパーライセンスで40ポイントもらえないなんて、僕としては馬鹿げた話だよ。僕に賛同してくれるドライバーも多いと思うよ」

「でも僕が知っている限りだと、スーパーライセンスでは4位に10ポイント、3位に20ポイント与えられて、僕は合計30ポイント持っていると思う。でも、『これとあれで何点か取れるかもしれないや』って言うくらいには、その点ではあまりストレスは感じていないんだ。とどのつまり、与える側の人たちに委ねるしかないしね」

「もし（スーパーライセンスを）与えてくれないなら、残念だけどもう1年やって、10ポイント取ればいい話だ」

　F1が最終目標になるのかと聞かれると、オワードはこう答えた。

「もちろんそうさ。レーシングドライバーになりたいという僕の夢はそこから始まったから、そうじゃないと言えばウソになるね」

Arrow McLaren SP driver Pato O'Ward on the McLaren pit wall

Photo by: Mark Sutton / Motorsport Images

　そして彼はこう続けた。

「でも今はひとつのことに集中しているし、それはインディカ―シリーズ内でのモノだ。僕はチームに初のタイトルをもたらしたいと思っている。インディ500での初勝利もあげたい。それが今の僕の目標なんだ」

「F1転向が、選択肢になるかどうかは誰もわからない。もちろん（F1転向が）実現するなら僕は100％F1を選ぶし、僕みたいな立場のドライバーならみんなF1を選ぶはずだよ。だってF1なんだよ？」

「僕はF1を観て、そして夢見て育ってきたんだ。子どもの頃と同じ夢は、決して消えるモノじゃない」

「でもさっきも言った通り、今の僕には挑戦すべきモノがあるし、インディカーの中で僕を楽しんでもらいたい。インディカーの魅力を知ってもらいたいし、僕を、そしてレースを楽しんでもらいたいんだ。クールなことがたくさんあるんだ……F1に行く時はいつでも伝えるから、今はインディカーで僕を楽しんでほしい」

　また、F1テストを振り返ってオワードはこう語る。

「めちゃくちゃクールだったよ。あれは可能な限り速く走るためにデザインされたマシンだ。レギュレーション内で、可能な限り速く走るためのモノなんだ」

「去年のマシンは、ここ長い間では最速のモノだったと思う。それに乗ってテストできたというのはクールだったね。とんでもなく速かったと断言できるよ。マシンに乗っている時は、めちゃくちゃクールだと感じたよ」