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ジョージ・ラッセルは完璧主義者! 元”上司”のクレア・ウイリアムズがその強さを回顧「今年のチャンピオンはアントネッリじゃなく、彼でしょう」

かつてウイリアムズF1を率いたクレア・ウイリアムズが、ラッセルは持ち前の集中力とキャリア初期に得た厳しい教訓により、チャンピオンを掴み取るだけの力が備わっていると考えている。

George Russell, Mercedes

 2026年のF1ドライバーズタイトル争いを繰り広げるメルセデスのジョージ・ラッセルについて、ラッセルがウイリアムズに所属していた時代に同チームを率いていたクレア・ウイリアムズが語った。曰く、ラッセルは完璧主義者であり、チャンピオンを勝ち取るだけの強さを手にしていると感じているという。

 先日行なわれたオーストラリアGPで優勝したのはラッセルだった。開幕戦に続く今季2勝目。2位となったマックス・フェルスタッペン(レッドブル)にも、3位となったアンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)にも、優勝するだけのチャンスがあった。しかし重要な局面でもそのプレッシャーに耐え抜き、強豪ふたりを差し置いての、見事な勝利であった。

 特に、チームメイトであるアントネッリとの対比は、注目すべきことであっただろう。

 予選Q3でフェルスタッペンがクラッシュした際、アントネッリは当該区間にダブルイエローが振られていると”勘違い”してアタックを途中で諦めた。一方でラッセルは、シングルイエローであることを瞬時に把握し、一瞬アクセルを緩めると、グリーンとなった区間からアタックを再開し、見事ポールポジションを獲得した。

 アントネッリはそれを引きずったのか、決勝スタート直後に複数回コースオフし、ポジションを落としてしまった。これがなければ、優勝もあったかもしれない。一方でラッセルは、プレッシャーがかかる中ミスなく走り切り、優勝を手にした。

 ウイリアムズの元チーム副代表であるクレア・ウイリアムズは、ラッセルのプレッシャーがかかった中でもしっかりと走り切ることができる能力と、ライバルに差をつけるチャンスを見抜く能力こそが、チームメイトとの差を縮める鍵となるだろう語る。

「ジョージとの経験から言えるのは、チャンピオンを目指す上で、チームメイトとの心理戦に勝つ能力は十分にあるということです。同じマシンに乗っている以上、チームメイトは最も手強いライバルになるでしょうからね」

 ウイリアムズはmotorsport.comを含むいくつかのメディアに対してそう語った。

「ジョージの素晴らしいところが、自己認識能力が非常に高いことなんです。彼は毎日、こういうことを考えています。『チームメイトに勝つにはどうすればいい? どうすればこの戦いに勝てる?』と」

「チームメイト同士が競い合うようなチャンピオン争いでは、最終的に勝敗を分けるのは心理戦です。ルイス・ハミルトンとニコ・ロズベルグがライバル関係にあった時もそうでした。ジョージは現時点ではキミよりも成熟度が高いはずなので、数字の上でもその点で彼が勝利を収めると思います」

 ラッセルは2018年にF2参戦1年目でチャンピオンに輝くと、翌年にはメルセデスのジュニアドライバーとしてウイリアムズからF1デビュー。これによりウイリアムズは、メルセデス製PUを格安で入手することができた。しかし当時のウイリアムズは資金的にかなり厳しい状況にあり、同年のマシンFW42の戦闘力はかなり低かった。

 翌年には新型コロナウイルスのパンデミックに見舞われ、ウイリアムズの財政面は窮地に立たされた。しかし現オーナーのドリルトン・キャピタルに買収されたことでチームは存続。ラッセルは2020年、2021年と下位に沈んだ。

 ただ2021年のベルギーGPでは、雨の中非力なウイリアムズのマシンで予選2番手。決勝はセーフティカー先導のみで終了し、2位表彰台を手にした。

 そんなラッセルに転機が訪れたのが2021年末だった。メルセデスがハミルトンのチームメイトを務めてきたバルテリ・ボッタスの放出を決定。その後任としてラッセルがメルセデス”昇格”のチャンスを掴み取ったのだった。

 しかしこのタイミングは不運でもあった。

 2022年からはレギュレーションが一新され、メルセデスは大きくパフォーマンスを落とすことになってしまったのだ。前年までは常勝チームと言えたが、この年は表彰台獲得が精一杯という状況。レッドブル勢には大きな差をつけられた。ただ同年末のサンパウロGPでは初優勝を手にする。

 その後もメルセデスの立ち位置はあまり変わらなかったが、今季からは再びレギュレーションが大きく変更。一気にトップチームへと復活することになった。ラッセルにとっては、事実上初めてチャンピオン争いに加わった年と言うことができよう。

「ジョージがウイリアムズにいた頃、契約を解除したいと言い出したこともありました。彼はメルセデスに行けば、全てを勝ち取れるはずと想像していたんです。でもその時の私の主張は明確でした。『今は辛い時期かもしれないし、苦しいかもしれないけど、この経験はきっとこの先に向けた糧になるはずだし、F1でのキャリア後半に必要になると思う。強固な基盤と精神的な強さを身につけることになるはずです』と言っていました」

「彼は本当に真剣に取り組んでいます。F1には分析すべきことが山ほどあります。分析しすぎるのはよくありませんが、ジョージはとにかく徹底的な、完璧主義者なんです」

「そのことは、彼が今置かれている状況において、間違いなく有利に働くと思います」

「彼はよく、幼い頃に父親とカートに乗っていた時のことを話していたんです。その時周りの人たちは、彼のことを『おじいちゃん』と呼んでいたらしいんです。年齢の割に、とても大人びた振る舞いをしていたからです」

「その成熟度の高さが、彼に完璧主義という能力をもたらしたんだと思います。それがジョージという人間なんです。彼は何事も全力を尽くさなければ気が済まないんですよ」

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