【激写】メルセデスの”トリック”の証拠? リヤウイングのエンドプレートに残った傷跡

レッドブルは、メルセデスがサンパウロGPで使ったリヤウイングを使い続ける場合、抗議する可能性を示唆した。なぜ、傷跡がついたリヤウイングがトリックの証拠だと考えられているのだろうか?

【激写】メルセデスの”トリック”の証拠? リヤウイングのエンドプレートに残った傷跡

 今季、メルセデスとレッドブルはコース内外で激しいバトルを繰り広げている。カタールGPでは、レッドブルのクリスチャン・ホーナー代表が、メルセデスが使用しているリヤウイングの合法性について、抗議を行なう可能性を示唆している。

 レッドブルはこれまでにも何度か、メルセデスのリヤウイングの合法性について不満を表明しており、ライバルがレギュレーションのグレーゾーンを利用して優位に立っていると確信しているようだ。

Read Also:

■疑惑を呼んだリヤウイングの傷跡

 レッドブルが疑惑を深めている理由のひとつが、リヤウイングのエンドプレートについた傷跡のようなモノが写っている画像の存在だ。

 この傷跡は、メインプレーン後方についている。これはリヤウイングのメインプレーン上端が固定されておらず、たわんだ結果ついた傷跡なのではないかと言われている。一方で、ただの汚れである可能性も否定はできない。

Mercedes W12 rear wing detail

Mercedes W12 rear wing detail

Photo by: Uncredited

 サンパウロGPでは、ルイス・ハミルトン(メルセデス)がスプリント予選と決勝レースの両方で驚異的なパフォーマンスを発揮し、優勝を飾った。

 ホーナーは、「メキシコやブラジルで(メルセデスが)見せたストレートスピードは、誰もが正常な状況ではないと考えたと思う。特にブラジルはね」

「メルセデスは新しいエンジンで、確かにパフォーマンスが向上している。しかし時速27kmもの差があって、リヤウイングのエンドプレートにウイングがたわんでできた跡があるのを見れば、何が起きていたのかは一目瞭然だ」

 サンパウロGPの予選では、DRSの技術規則違反があったとして、ハミルトンが結果から除外された。これはDRSが作動した際、フラップとメインプレーンの隙間が規定よりも開いていたことが原因だ。

 しかしレッドブルが懸念しているのは、DRSの使用時ではなく、通常状態時にメインプレーンが柔軟性を持っていることによって生じる効果だという。

 レッドブルは、メインプレーンのエッジがスピードが上昇するのに応じてたわむことで、レギュレーションで認められているよりも大きな開口部を作っていると考えているようだ。

 もしこれが可能なら、ダウンフォースとドラッグが減少し、トップスピードが向上する効果がある。DRSが作動していなくとも、同じような効果を発揮することができるのだ。

 実際、2006年にはフェラーリのウイングが走行中に変形するフレキシブルウイングではないかとの疑いが浮上した際、シーズン中盤からフラップの隙間を固定するスロットギャップ・セパレーターの装着が義務付けられている。

 また今季、メルセデスはレッドブルがフレキシブルウイングを使用しているのではないかと疑った結果、FIAがオンボードカメラでウイングのたわみを監視するために、リヤウイングにドット状のシールを貼るよう、各チームに求めている。

 しかしレッドブルは、ドットシールの位置が低くたわみが検知出来ない上、ウイングのフラップに隠れてメインプレーンのエッジが見えないため、メルセデスのトリックに対してドットシールが有効ではないと主張している。

 ホーナーとメルセデスのトト・ウルフ代表が出席したFIAの記者会見では、ふたりがこの件について応酬。「エンドプレートにある傷跡についてどう説明するのか」とホーナーが訊くと、ウルフは「許される範囲内だと思う」と答えた。

 この件については、車検時にウイングが合法なのかどうかが、分かれ目となるだろう。だが現状では、静止時にフラップとメインプレーン間のギャップを測定する以外、この領域での合法性をチェックする検査は存在しない。

 メルセデスのトラックサイドエンジニアリング部門の責任者であるアンドリュー・ショブリンは、この問題について質問されると、次のように説明した。

「我々が見たところ、傷跡はなかった。それが何なのかはよく分からないが、ちょっとした話題になっているようだ」

 ショブリンはそうSkyに語った。

「我々としては、クルマに搭載されているものには絶対的に満足している。FIAには好きなだけ見てもらうことにしている」

「我々はあらゆるサーキットで、最も速いウイングが何なのかを調べ、それをクルマに搭載するということを続けている」

「他のチームからのアドバイスは受けないよ」

 
Read Also:

シェア
コメント
アルファタウリ代表、ガスリーの成長を賞賛「シーズン序盤と比べても、大きく進歩している」
前の記事

アルファタウリ代表、ガスリーの成長を賞賛「シーズン序盤と比べても、大きく進歩している」

次の記事

パーツの寿命か性能追求の弊害か……レッドブル・ホンダの“パタパタ”はためくDRSには何が起こっているのか?

パーツの寿命か性能追求の弊害か……レッドブル・ホンダの“パタパタ”はためくDRSには何が起こっているのか?
コメントを読み込む