F1アゼルバイジャンGPで2度もタイヤトラブル……ピレリは調査中も「デブリが原因ではないか」

ピレリのF1責任者であるマリオ・イゾラは、アゼルバイジャンGPでランス・ストロールとマックス・フェルスタッペンに起こったタイヤトラブルは、デブリがタイヤをカットしてしまったことが原因ではないかと考えている。

The damaged rear wheel of Max Verstappen, Red Bull Racing RB16B

The damaged rear wheel of Max Verstappen, Red Bull Racing RB16B

Mark Sutton / Motorsport Images

 F1アゼルバイジャンGPの決勝レースでは、ランス・ストロール(アストンマーチン)とマックス・フェルスタッペン(レッドブル)のマシンに相次いでタイヤトラブルが発生した。ふたりは共にC3コンパウンドのハードタイヤを使用している際にストレートを走行中、突然左リヤタイヤがパンクしてクラッシュした。

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 タイヤサプライヤーであるピレリの責任者マリオ・イゾラは、フェルスタッペンの事故によって赤旗中断となった後、ルイス・ハミルトン(メルセデス)の左リヤタイヤにも切り込みが入っていることを確認したといい、他のドライバーにも同様の問題が発生した可能性があると指摘したが、ハミルトンのタイヤは構造上の問題はなかったようだ。

 イゾラはまた、タイヤの構造上のトラブルが起きれば事前に何らかの兆候が出るはずであり、今回の突然のタイヤトラブルはデブリを踏んだことによるパンクではないかと見ている。

 ただし、イゾラはピレリが現在調査中であり、まだ断定できるものは何もないことを強調した。

「もちろん、我々は調査をする必要がある。これは間違いない」とイゾラはmotorsport.comに語った。

「私がここまで収集した情報では仮定の話しかできない。ランスとマックスはふたり共、何の前触れもなく突然内圧が低下した」

「そのタイヤは左リヤタイヤであり、最も負荷のかかる右リヤタイヤではない。そして摩耗について言えば、最も摩耗するのは右フロントタイヤ。つまり摩耗の問題ではないということだ」

「もうひとつ重要なのは、我々はルイス・ハミルトンの左リヤタイヤにかなり大きな切れ目を確認した。それは赤旗の時で、マックスがクラッシュした時と同じスティント(のタイヤ)だ」

「マシンが戻ってきて、新しいセットをつけるためにタイヤが外された。我々はユーズドタイヤをチェックしたところ、左リヤの切れ目を見つけたのだ」

「幸運なことに、この切れ目はタイヤの構造自体を傷付けてはいなかった。だから彼は内圧を失わなかったのだ。要は他のタイヤにも切れ目が入ったという証拠があるということだ」

「しかし彼らと同じように30〜33周を走ってきた他のタイヤには、問題の兆候を示すものはなかった。これが現時点で分かっていることだ」

「タイヤはこの後ミラノに空輸され、早急に分析が行なわれる。そしてトラブルの誘因がデブリなのか他のものなのかを調べる」

 イゾラは、フェルスタッペンやストロールをはじめとするドライバーがこういったトラブルに対して懸念を示したことに理解を見せているが、もしデブリが原因だった場合、対策は難しいと語った。

「どんなタイプのデブリにも耐えられるタイヤを設計することはほぼ不可能だ。もし(原因が)デブリでないならば、対策を考えなければいけない」

「しかし、あのようなスピードでクラッシュしたドライバーが懸念する気持ちは良く分かる。私も同様に心配している」

「私はデブリ(が原因)だと思っている。マシンに何か異常があるという警告は出なかったからだ。タイヤ、サスペンション、ブレーキなど、兆候となるものは何もなかった。突然のトラブルだったんだ」

「左リヤが最も負荷のかかるタイヤではないこと、ルイスのタイヤにも同じような切り込みが見られたこと……それらが我々をそういった結論へと導いている」

「しかしマックスが言ったように、これは起こるべきことではないので、我々はどんな可能性も排除したくはない」

 

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