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ピレリ、批判殺到の2021年タイヤを「導入しない理由はない」と強気の姿勢

ピレリのF1責任者であるマリオ・イゾラは、バーレーンでの走行を受けてドライバーから批判の声が上がっている2021年仕様タイヤについて、導入計画を推し進めない理由はないと語った。

Lewis Hamilton, Mercedes F1 W11

Lewis Hamilton, Mercedes F1 W11

Mark Sutton / Motorsport Images

 F1第15戦バーレーンGPの金曜フリー走行では、2021年に導入予定の新タイヤがピレリによって持ち込まれた。実際に走行したドライバーからはネガティブな声が多く聞かれているものの、ピレリとしては現在の計画を変更する理由はないと考えているようだ。

 2021年シーズンは各チーム2020年と同じシャシーを使用するが、空力開発などでダウンフォースが向上してタイヤへの負荷が大きくなることが予想されるため、ピレリは2021年用に耐久性を高めた新構造のタイヤを開発し、バーレーンのFP1とFP2で各チームがこれをテストした。

 しかしながらドライバーからの評判は芳しくなく、ルイス・ハミルトン(メルセデス)は「いつものタイヤよりも1周1秒遅い」とコメント。セバスチャン・ベッテル(フェラーリ)は「二度と見たくない」と言い放った。

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 今回は通常のレースウィークエンド中に新タイヤを試したため、各チーム現行タイヤでの走行時間が限られてしまい、セットアップの変更なども最小限に抑えられてしまった。さらに新タイヤの形状が変わったことで空力面でも影響があるため、それに合わせてレーキ角(マシンを横から見た際の前傾角度)を調節するチームもあった。

「我々は新タイヤの導入について各チームやFIAと共に話し合った。我々はその背景にある理由について説明し、FIAからホモロゲーションを得た」

 そう語るのは、ピレリのF1兼カーレーシング責任者であるマリオ・イゾラだ。

「そして我々はデータを収集して有益な情報を得るために、新しい仕様のタイヤを(各チームに)与える機会を得た」

「(来季使用するタイヤを)現在のタイヤに戻す可能性については議論していない。正直に言わせてもらうと、今のタイヤに戻すということは望んでいない。我々は『タイヤをより耐久性のあるものにする』という目標を達成したからだ」

「今のタイヤに戻す理由はないと思うのはそのためだ。振り返ってみると、我々が何か新しいものを導入する度に、不満を持っている人は一定数いるものだ」

「しかし、F1においてそういう変化に抵抗感が生まれるのはごく自然なことだと思う。我々には改良されたタイヤがあるし、これを来年から導入しない理由はない」

 イゾラは、ドライバーたちが具体的に何に不満を持っているのかをもっと詳しく知りたいと語った。

「反対意見があるのなら、なぜ反対意見が出るのかを理解したいんだ」

「もしグリップが少ないという理由で反対をされているのであれば、それは皆同じことであり、誰かにとって不利益になるということではない」

「少しアンダーステアになるというのであれば、マシン側をどうするのかを考えればいい」

 またイゾラは、現在のタイヤを履くことを前提に設計されたマシンに新しいタイヤを装着しても、ドライバーが多少の違和感を覚えることは避けられないと主張した。

「2019年から2年間も使っている現在のタイヤに最適化したマシンで走っているのだから、(違和感を感じるのは)無理もない」

「彼らは現在のタイヤを履いた状態のセットアップなどにある程度の自信を持っていると思う。しかし今のタイヤのサイクルは終わりを迎えようとしている。新しいタイヤを提案する度にいくらかの批判があるのだ」

「例えば(マックス)フェルスタッペンが無線でアンダーステアを感じるとコメントしているのを聞いた。我々はチームに『新しい構造のタイヤではよりアンダーステアが発生する可能性がある。マシンのバランスを整えるためにセットアップを修正してほしい』と呼びかけた」

「これは来年に向けての課題だ。彼らは来年、マシンのバランスを整え、2021年用タイヤからパフォーマンスを引き出す方法を見つけてくれると確信している」

 イゾラ曰く、今回の走行は新タイヤのパフォーマンス向上が目的ではなかったため、バーレーンで記録されたタイムは新タイヤのパフォーマンスを示すようなものではなかったという。

「彼らはタイヤからパフォーマンスを引き出すことよりも、データを収集することに集中していた。今朝は空力のデータを集めることが重要で、そのデータを収集するためにコースに出ていくチームを見た」

「我々はタイヤがフロアと干渉してデザインを変更する必要が生じることを避けるために、リヤタイヤの形状を変更しないことを決定した。しかしフロントに関しては異なる。確かに多少の適応は必要だ。彼らは新しいタイヤをマシンに適応させなければいけない」

 

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