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ピレリ、F1タイヤバースト問題の調査結果を報告。タイヤに問題なし、“使い方”が問題と示唆

F1にタイヤを供給するピレリは、第6戦アゼルバイジャンGPで発生したバーストに関してレポートを公開。レッドブルとアストンマーチンの両チームのタイヤ使用方法が原因の可能性が高いと結論づけた。

The damaged rear wheel of Max Verstappen, Red Bull Racing RB16B

写真:: Mark Sutton / Motorsport Images

 バクー市街地サーキットで行なわれたF1第6戦アゼルバイジャンGPでは、レッドブルのマックス・フェルスタッペンと、アストンマーチンのランス・ストロールの2名が同じ左リヤタイヤのバーストに見舞われるアクシデントがあった。

 レース展開にも影響を及ぼしたこのアクシデントだが、当初のピレリの見解ではデブリによる破損が要因ではないかとされていた。実際フェルスタッペンがクラッシュした際に他車がそのデブリでタイヤを傷つけていたことも、この説を後押ししていた。

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 連続でのバーストだったこともありピレリには批判が寄せられていたが、彼らはイタリア本社でこれらのタイヤを分析し、何が起こったのかその詳細な分析に取り組んだ。

 そして15日(火)、ピレリは一連のタイヤバーストに関する報告書を公開。バーストは製造上のミスなど品質に問題はなく、加えてデブリが原因ではないと指摘。チーム側によるタイヤの使用方法に問題があった可能性を示唆した。

 報告書ではサイドウォールの破損は、タイヤの圧力や温度などの走行状態に起因する可能性があるとしている。

「この分析にはレースで他のマシンが使用していたタイヤも含まれており、破損したタイヤと同程度か、それ以上に使用されていた」

「その結果、どのタイヤも製造や品質上の欠陥は無く、疲労やデラミネーション(トレッド面の剥離)は無かった。アストンマーチンとレッドブルの2台のマシンに発生した左リヤ破損の原因は、明らかに特定されている。いずれの場合も規定のスターティングパラメーター(最低内圧、最高保温温度)に従っていたが、タイヤの走行状態に関係するインナーサイドウォールの円周方向の破損によるものだった」

 F1はチームは現在、タイヤをクルマに最初に装着した時に最低内圧を守ることが要求されているが、一度出走してしまえば、内圧の維持は要求されていない。

 つまりチーム側は、タイヤ内圧をより低くする方法を探り、それを実行することが可能だったということだ。内圧が低くなれば、タイヤの接地面が増えるなどのメリットがあるが、タイヤにより大きな負荷をかけることにも繋がってしまう。

 ピレリ側もアゼルバイジャンGPでの問題を繰り返さないために、新たな内圧とタイヤウォーマーのプロトコルを導入することを明らかにしており、既にチームにはFIAから通達が行なわれている。

「分析の結果、ピレリはFIAと各チームに報告書を提出した。FIAとピレリはアップデートされた技術指令、レースウィーク中の状況のモニタリングを含む新たなプロトコルで合意している、そして、今後も適切な行動を考慮していく」

 なおピレリはタイヤの使用方法に問題があったと示唆しているが、レッドブル側は全ての推奨事項に従っていると主張している。

「我々はアゼルバイジャンGP47周目に発生したタイヤトラブルに関しての調査中、ピレリそしてFIAと緊密に協力し取り組んできたが、クルマには故障がないことを確認できた。また我々は常にピレリのタイヤパラメーターに従っており、今後も彼らのガイダンスに従い続ける」

「高速状態での衝突だったが、どのドライバーも負傷することがなかったことは嬉しく思う」

 

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