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ポルトガルGPで発生した問題は前代未聞「排水溝自体が壊れた」

FIAのF1レースディレクターであるマイケル・マシが、ポルトガルGPのフリー走行3回目を予定より早く終わらせ、予選開始時刻を30分遅らせた排水溝の蓋のトラブルについて説明した。

Workers working on the track

写真:: Mark Sutton / Motorsport Images

 問題はF1ポルトガルGPのフリー走行3回目(FP3)終了まで、残り数分というところで起きた。フェラーリのセバスチャン・ベッテルが最終コーナーのひとつ手前、ターン14をワイドに走った際、コース脇の排水口の蓋を跳ね上げてしまったのだ。

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 これにより、FP3残り2分というところで赤旗中断。そのままセッション終了となった。

 過去にも、排水溝の蓋が外れたという事例は存在した。しかし今回は、カバーが設置されている、コンクリート製の枠に問題があった。そのため予選の開始時刻を30分繰り下げ、当該箇所を修復すると共に、他の部分の調査も行なわれた。

 当該箇所は、枠が破損していたため、開口部にプラスチック製のパイプを入れ、全体をコンクリートで覆う形で迅速な修理が行なわれた。

「実際には排水溝のカバー自体ではなく、その下のコンクリート製の枠が壊れたのだ」

 そうFIAのF1レースディレクターであるマイケル・マシは語った。

「そして、上に突き出てしまったのは、排水溝カバーそのものだった。それに気付いた直後、FP3を終了し、再開することはできなかった。そしてその部分の修復が行なわれた。そして他の排水溝についても、さらにチェックが行なわれた」

「これは、我々が以前には見たことのないモノだった。自然に壊れてしまったのだ。それで我々は、サーキット全てのオフィシャルと共に、全ての排水溝を調べた。それが、最も効率的な方法だったのだ。その結果、すぐに発見され、修復された亀裂が他にもいくつかあった」

「ターン14の破損した排水溝は、プラスチックのパイプを埋め込んでコンクリートを充填し、その上に急速に固まるコンクリートを敷いた。そしてそれをできるだけ早く乾かそうとする形で修理が行なわれた。その結果、予選の開始が少し遅れることになった。しかし今回の状況では、他の全てもチェックする方が良かっただろう」

「今日(土曜日)の走行が終わるとすぐ、さらなる予防策として、他の全ての排水溝について、サーキット全体でさらなるチェックが行なわれた」

 マシは、F1マシンのダウンフォースが排水溝破損の原因になったと考えているという。

「そうだろうと私は考えている」とマシは語った。

「我々はおそらく、F1マシンが生み出すダウンフォースを十分に理解していなかった。それは、予想外のことだったのだ。サーキット全体の再舗装やセーフティバリアのアップグレードなど、このグランプリのためにかなりの改修が行なわれた。すべての排水溝も、同じタイミングでチェックされたのだ」

 2017年のマレーシアGPでも、排水溝の蓋が外れるトラブルがあった。この時被害を受けたのは、ハースのロマン・グロージャンだ。グロージャンは当時、外れた排水溝の蓋にリヤタイヤを引っ掛けてしまい、マシンが大破してしまった。

 そのグロージャンは、今回の問題が発覚した後、走行が再開するまでに対策がしっかりと施されたことに自信を持っていたという。また、コースの検査に関わるのは、ドライバーの仕事ではないとも付け加えた。

「仕事がしっかりと行なわれ、FIAとサーキットの全員が、問題を解決したと確信していたと思う」

 そうグロージャンは語った。グロージャンはGPDA(グランプリ・ドライバーズ・アソシエイション)のディレクターも務める人物だ。

「GPDAとしては、できる最大限のことをしていると思う。しかしFIAには、サーキットを検査する部門があって、それは僕たちの仕事ではないんだ」

「サーキットに来た後で、フィードバックをすることはできる。しかし、それ(コースの検査)は僕たちの仕事ではない。それで報酬を受け取っているわけではないからね。これはれっきとしたひとつの仕事だから、誰かを送り込む必要がある。僕たちの仕事になるということはないと思うけどね」

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