

今季後半に向けて、2018年仕様のタイヤに戻そうと動いているF1チームもあるようだが、実現は難しそうだ。
今季のピレリF1タイヤに不満を持っているいくつかのチームは、シーズン後半に向けてタイヤを2018年仕様に戻そうという動きを見せているが、十分な支持を得るのは難しそうだ。
ピレリはオーバーヒート対策の一環として、昨年の一部レースで使用したトレッド面が薄くなったタイヤを、今季は全戦に持ち込んでいる。しかし、この変更により、タイヤを最適な作動温度領域をキープするのが難しくなってしまった。
このタイヤを上手く扱えているチームは少ない。レッドブルは今季のタイヤに対する不満を公言しているチームのひとつであり、今季のタイヤがメルセデスのアドバンテージを後押ししていると批判している。
この件について、フランスGPの週末にいくつかのチームによって、非公式な議論が行われた。
仮に7つ以上のチームがタイヤの仕様変更を要求した場合、FIAがそれを承認する可能性はある。しかし、シーズン中の変更は適切ではないと考えているチームもあるため、この数字には手が届かないと見られる。
メルセデスのチーム代表であるトト・ウルフは、2019年のタイヤに合わせてマシンを最適化したチームが不当な扱いを受けるのは不公平だと主張している。
「タイヤを正しく理解できていないと感じる人たちが、タイヤの変更を引き起こそうとするのは、極めて当然のことだ」と、ウルフはmotorsport.comに語った。
「スポーツマンとしての私のアプローチは、誰かが他の人たちより上手くやっているからといって、F1はルールを変えるべきだとは思わないということだ」
「我々が傲慢になっているという意味ではない。それどころか、F1は容赦のないハイテクスポーツなんだ。我々は冬の間にセットアップの問題を乗り越え、昨年このタイヤがどのように機能していたか理解するため、かなりの努力をした」
「アブダビ(タイヤテスト)では、試すことができるように何セットかのタイヤを与えられた。我々は問題なかった。そしてシーズン中にレギュレーションを変更するのは、性能調整をF1に導入するようなものだ」
「もしそうする必要があるなら、モーターレーシングの頂点としてのF1の哲学について、議論をしなくてはならない」
ルノーのマネージングディレクターであるシリル・アビテブールも、シーズン中の変更に反対している。
「シーズン半ばでのリアクションは、私が好むものではない」と、アビテブールはmotorsport.comに話した。
「F1はメルセデス(の独走)に関する問題を抱えていると思うが、突然タイヤを変えたからと言って、メルセデスの支配が無くなるとは限らない」
「もっと根が深い問題や対処するべき状況だと思う。だが、素晴らしいアドバンテージを築いたチームに対して受け身になるのではなく、状況に適切に対処するのがF1における進化だと信じている」
「2020年のことについてはいつでも議論することができる」
アルファロメオのチーム代表を務めるフレッド・バスールも、各チームが今のタイヤに適応する必要があると語った。一方で、現在のタイヤ選択システムには不満を持っているようだ。
「ある段階で、我々は自分たちの持っているものに対処しなくてはいけない。一方で、ピレリは生産に関して何らかの問題を抱えていると思う。なぜなら、我々はかなり前もってタイヤを注文しなくてはいけないからだ」
この記事について
シリーズ | F1 |
チーム | メルセデス 発売中 , ルノーF1チーム , Alfa Romeo |
執筆者 | Adam Cooper |