“ピンク・メルセデス”は合法、それとも違法? レーシングポイントは抗議を心配せず
レーシングポイントCEOのオットマー・サフナウアーは“ピンク・メルセデス”とも揶揄される今季用のマシンRP20の合法性について、ライバルから抗議を受ける心配はしていないと語った。
Lance Stroll, Racing Point RP20
Mark Sutton / Motorsport Images
レーシングポイントはF1の2020年シーズンにおいて、王者メルセデスの昨年型マシンW10に酷似したデザインの新車RP230を投入。そのマシンはプレシーズンテストから速さを発揮していた。
しかし彼らの採った“コピー”ともいえるアプローチには、ライバルから疑念の目が向けられた。
7月3日から始まったF1開幕戦オーストリアGPでも、レーシングポイントは速さを見せており、RP20のポテンシャルの高さは疑うべくもない。
ルノーF1の代表であるシリル・アビテブールは、レーシングポイントの行為に不満を持っているひとりだ。中止されたオーストラリアGPでも抗議を提出するつもりだったのではないかと言われており、さらに4月の段階でも「依然として疑いを持っている」と語っていた。
しかしレーシングポイント側はライバルから実際に抗議されることについて、心配はしていない様子だ。
「いいや、まったく心配していない」
ライバルからのレース後の抗議の可能性について訊かれた、レーシングポイントのオットマー・サフナウアー代表はそう答えた。
「クルマが速いのは驚くべきことではないよ。我々はメルセデスの風洞施設を使用しているが、これは恐らくこの業界でのベストなツールだ。それらには素晴らしい相関関係がある……つまり風洞の効率が非常に良いということだ」
「我々はレッドブルから着想を得たハイレーキ角コンセプトから脱却するためのチャンスが今年はあった。それは強力な財政状況があったからこそだ」
「これまで我々はメルセデスからギヤボックスを含むパワートレインを購入する際に、常に妥協をしてきた。それらは我々の実行している空力コンセプトとは異なる方向に設計されているんだ。レッドブルによって開発されたハイレーキ角のコンセプトは、(メルセデス製のPUを使用する)我々にとって十分に機能するものではなかった」
「今年はその“妥協”を取り除くために利用した。もし我々のコンセプトが上手く機能しているのであれば、メルセデスのしていることを観察したことには意味があったということだ」
■マクラーレン、レーシングポイントに抗議せず?
先述のように、レーシングポイントに対してはルノーが疑惑の目を向けており、今戦で抗議を行なうのではないかという見方もある。
しかし同じく中団争いのライバルであるマクラーレンは、レーシングポイントへの抗議を支持しないと繰り返している。
「我々の側で、何か抗議を出すということは全くない。なぜならそうする理由がないと思うからだ」
マクラーレンのチーム代表であるアンドレアス・ザイドルはそう語った。
「結局のところ、メルセデスとレーシングポイントはこの方法を選んだんだ。正直に言って、レギュレーション上では彼らの行為を可能とする余地があると思う」
「それが好ましいか、と問われればもちろん私としては好むところではない。しかし同時にレギュレーションの範囲内でそうした事を行ない、風洞技術を共有したりといった協力関係を築くことは可能だ。不満を言う理由はない」
またアビテブール代表にオーストリアGPで抗議を行なうことを検討しているのかを問うと、彼はカスタマーカーを引き合いに出しつつ、次のように答えた。
「これは古くからある議論であり、カスタマーカーについての論争だ。レーシングポイントは今年それを極端に押し上げている」
「彼らのラップタイムを見るのは興味深いだろうと思う。冬季テストでは多くの推測があったからね。そして誰もが知っているように、冬季テストから何かを言うのはとても難しい」
「今週はレースに戻り、ようやく各自の競争力を知ることができる。仮にレーシングポイントがレギュレーションに合致しているなら、彼らが心配することはないだろう。そして繰り返しになるが、今週末はレースに復帰することが優先事項なんだ」
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