レーシングポイント開発責任者「新車はメルセデスから着想得た」と認める
レーシングポイントのテクニカルディレクターであるアンドリュー・グリーンは、チームがメルセデスの空力哲学を追随したことで大きなリスクを負ったと語った。
2月19日にスペインのカタルニア・サーキットでF1プレシーズンテストが行なわれたが、この日最も話題をさらったチームのひとつは、レーシングポイントと言えるだろう。
テスト初日にその全貌が初めて明らかとなったレーシングポイントの2020年マシン『RP20』は、その3日前のカラーリング発表の際に用いられていたマシンとは大きく姿を変えていた。丸みを帯びたフロントノーズ先端、開口部が大きくなったサイドポッド……これはメルセデスの2019年マシン『W10』を彷彿とさせる。
そしてレーシングポイントはそのタイムでも周囲を驚かせた。ペレスがこの日記録した1分17秒375というベストタイムは、メルセデスのふたりに次ぐ3番手タイムだった。それ以上にこのタイムは、昨年彼が記録したテスト初日のベストタイムよりも2.6秒速く、昨年のスペインGPでの自身の予選タイムよりも0.5秒も速かったのだ。
レーシングポイントのテクニカルディレクターを務めるアンドリュー・グリーンは、RP20がW10からインスピレーションを得たマシンであることを認め、次のように語った。
「昨年最も速かったマシンからインスピレーションを得た」
「我々はそこからインスピレーションを得たんだ……そうしない理由はないだろう? 我々は彼らの(2019年型)ギヤボックスを使用する立場にあり、同じパワーユニットを搭載している。そしてそのギヤボックスは、特定の空力哲学に合うように作られているんだ」
「我々は昨年、コンストラクターズ選手権で7位となった。そしてそのレギュレーションはあと1年(2020年まで)しか続かない。だからリスクを負う価値があった」
「我々はこれまでにやってきたことを綺麗さっぱりリセットして、一から始めることにした。さて、どんなスタートを切るだろうか? グリッド上で最も遅いマシンになるつもりはない。最も速いマシンを目指している」
「うまくいけばそれは成功だし、失敗しても1年を失うだけだ。そういった挑戦をしないことのデメリットの方が大きいように感じた」
グリーンはまた、チームにとって鍵となるのは、メルセデスのアプローチがどのようにして機能しているかを理解することだと語った。
「彼ら(メルセデス)の仕事を理解する必要があった。それは難しいことで、大きなリスクだったと思う」
「オフシーズンの開発中に空力チームから提供されたデータを見るに、ブラックリー(空力拠点)の面々は、あらゆるものがどう機能しているかを理解するにあたり、素晴らしい仕事をしたと思う」
「そしてその中に、レーシングポイント独自の要素を入れ込んだ。これまでのところ、非常に励みになる結果が出ている」
今季はメルセデスの空力コンセプトに追随したレーシングポイントだが、グリーン曰くこれまでは意図的にメルセデスのコンセプトを避けていたという。
「我々はここ数年間、彼ら(メルセデス)のハードウェアを使用しながらも異なるコンセプトを採用してきた。しかし今年はこういったことをする機会があった」
またシーズン開幕戦に向けてRP20がどのくらい改良されるかについて、グリーンは次のように語った。
「(テストの段階で)ほとんどのものをお見せしたが、メルボルン(開幕戦)に向けてさらに大きな変化がある。それは大きな一歩になるだろう」
「またシーズン中にもさらに大きなステップがあるかもしれない。今後の進捗を見守る必要がある。もちろん、“2021”に向けての作業に徐々に移行していくがね」
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