F1オランダFP3:驚速フェルスタッペン! 大差でトップタイム、ロングラン重視の角田は17番手
F1第13戦オランダGPのフリー走行3回目が行なわれ、マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)がトップタイムをマークした。角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)は、17番手だった。
写真:: Andy Hone / Motorsport Images
F1第13戦オランダGPのフリー走行3回目が行なわれ、予選前最後のセッションでトップタイムを記録したのは、マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)だった。
オランダはザントフールト・サーキットで行なわれるオランダGP。F1初開催は1952年だが、1985年を最後にF1カレンダーから長らく姿を消していた。母国の”ヒーロー”フェルスタッペンの活躍もあり昨年開催が予定されていたが、新型コロナウイルスの感染拡大により敢え無く中止となっていた。
36年ぶりのF1開催に伴い、コースは一部改修。全長4.259kmのコースには、ターン3と最終コーナーにバンクコーナーが設置された。
バンクに加え新レイアウトでの初開催ということもあり、ピレリはC1からC5の5種類のコンパウンドの内、最も硬いC1〜C3の組み合わせでタイヤを持ち込んでいる。
FP3開始時には気温16度、路面温度26度と青空が広がった。FP1、FP2と赤旗中断により走行機会が限られたこともあり、FP3では予選や決勝に向けデータ収集や最終調整を行なうことになる。
まずコースに出たのは、新型コロナウイルスの陽性反応が出たキミ・ライコネンに代わり、このセッションから出走するロバート・クビサ(アルファロメオ)。FP1でマシントラブルが出た角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)やFP2でエンジントラブルに見舞われたルイス・ハミルトン(メルセデス)も早くからコース上でマシンを確かめた。
セッション15分を過ぎると、ほとんどのマシンがソフトタイヤもしくはミディアムタイヤを投入し、コース上に出た。新品のミディアムタイヤを履くベッテルは、タイヤの温まりが十分ではなかったか、ターン10でリヤが流れコースオフ。マシンへのダメージは無さそうだ。
ベッテルの他にも、ランド・ノリス(マクラーレン)やミック・シューマッハー(ハース)等がコースオフ。”オールドスクール”なザントフールトのランオフエリアにアスファルト舗装はなく、一歩はみ出せば罰を受けるグラベルが敷かれている。
20分を経過した頃に、カルロス・サインツJr.(フェラーリ)がターン2出口でマシンのリヤを流し、ターン3のアウト側バリアにヒットした。左側面を大きく大破したマシンの修理が予選までに間に合うか、クルーの腕が試される。幸いサインツJr.に怪我は無さそうだが、このクラッシュによりフリー走行3セッション続けて赤旗が提示されることとなった。
残り26分を残してセッションは再開。フェルスタッペンはここでようやくコース上に姿を現した。待ちわびた”オレンジ軍団”も諸手を挙げてフェルスタッペンを迎えた。
セッション終盤になると、各車は新品のソフトタイヤを投入し予選想定のアタックを実施。フェルスタッペンは2番手のバルテリ・ボッタス(メルセデス)に対して0.556秒の大差をつける1分9秒623というセッショントップタイムを叩き出すと、会場からは大きな歓声が響いた。
3番手のハミルトンはトップから0.794秒差の1分10秒417を記録。フェルスタッペンのチームメイトであるセルジオ・ペレスがその後ろ4番手に並んだ。5番手には好調フェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)、6番手にはノリスがつけた。
角田はロングラン重視の走行メニューを行い最多の29周を走行した。タイムは、トップから2.357秒差の1分11秒980で17番手をマークしている。一方、チームメイトのピエール・ガスリーは10番手でセッションを終えた。
この後行なわれる短く狭いザントフールトでの予選では、いかにクリアラップを取るかというトラフィック処理が重要になる。また、ここまで赤旗中断が相次いでいることを鑑みるに、予選ではそのリスクヘッジ能力と運が求められる。”高速のモナコ”と呼ぶものもいるほど、オーバーテイクが難しいザントフールト。予選での好結果が、決勝に向けて重要な鍵になるだろう。
順位 | ドライバー | 周回数 | タイム | 差 | 前車との差 | 平均速度 |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | マックス フェルスタッペン | 13 | 1'09.623 | 220.220 | ||
2 | バルテリ ボッタス | 17 | 1'10.179 | 0.556 | 0.556 | 218.475 |
3 | ルイス ハミルトン | 22 | 1'10.417 | 0.794 | 0.238 | 217.737 |
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