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F1ロシアGP決勝:ハミルトンが前人未到の100勝目! レース大半をリードしたノリスは雨に泣く。角田17位

F1第15戦ロシアGPが行なわれ、ルイス・ハミルトン(メルセデス)が勝利した。角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)は17位だった。

Race winner Lewis Hamilton, Mercedes W12

Race winner Lewis Hamilton, Mercedes W12

motosport.com

 F1第15戦ロシアGPが行なわれ、ルイス・ハミルトン(メルセデス)が通算100勝を記録した。レースの大半をリードしたランド・ノリス(マクラーレン)は、レース終盤に降った雨への対応が遅れ、F1初優勝を逃すことになった。

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 ロシアGPの舞台は、ソチ・オートドローム。ソチという名に聞き覚えのある方も多いだろう。それもそのはず、このサーキットは2014年の冬期オリンピックの開催中心地となったソチ・オリンピックパーク内に作られたモノで、当時使われたアイススケートリンクやスタジアム、そして聖火台の間を縫うようにコースがレイアウトされている。そして2014年の初開催以来2020年までの過去7戦全てを、メルセデスが制してきた。

 予選が行なわれた土曜日は午前中から激しい降雨に見舞われ、フリー走行3回目は中止。予選前に雨は上がったもののウエットコンディションのセッションとなった。マシンが走行を重ねる内に次第に路面コンディションは改善。予選Q3の最終アタックではスリックタイヤのタイムが上回り、早々にこのスリックタイヤに履き替えたノリスが自身初のポールポジションを獲得。2番手にはカルロス・サインツJr.(フェラーリ)、3番手にはジョージ・ラッセル(ウイリアムズ)と、いつもとは違う顔ぶれが並んだ。

 タイトル争いのライバルであるマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)がパワーユニット(PU)交換により最後尾スタートが決まっている中、是が非でも優勝したいハミルトンだったが、予選Q3で2度ミスを犯すなど4番手に終わった。

 ピエール・ガスリーと角田裕毅のアルファタウリ勢は予選12、13番手。他者のペナルティにより11、12番手グリッドからのスタートとなった。

 フェルスタッペンの他にも、今回のレースでは多くのドライバーがPU&パーツ交換によるグリッド降格ペナルティを受けた。中でもソチを得意とするバルテリ・ボッタス(メルセデス)は前戦イタリアGPでPU交換を行なったが、今回もPUエレメントを交換。これにより、ボッタスはフェルスタッペンの前方16番手グリッドで決勝スタートを迎えた。

 ソチのコースレイアウトは、2本の長い直線と90度に曲がる直角コーナーが組み合わされており、市街地サーキットのようにウォールが近く、ミスに対する許容範囲が少ないのが特徴だ。タイヤはC1〜C5の5種類のタイヤコンパウンドのうち、一番柔らかいC3〜C5のセットが持ち込まれた。

 予選Q2で全車がインターミディエイトタイヤでタイム計測を行なったため、トップ10も含めて全車がスタートタイヤを自由に選択することができた。上位勢がミディアムタイヤを選ぶ中、フェルスタッペンを始め後方から追い上げたいドライバーの中にはハードを選択したドライバーもいた。

 日曜日の決勝レース前の天気は曇り。黒海に面したロシア屈指のリゾート地ではあるものの、気温は19度、路面温度は22度と肌寒い状況だった。

 シグナルが消えると、ポールのノリスが抜群の蹴り出しを見せたが、ノリスのトウを活かしターン2のアウトから2番手スタートのサインツJr.がトップを奪取。ノリス、ラッセルがそれに続いた。4番手には7番手スタートからジャンプアップしたランス・ストロール(アストンマーチン)、5番手に前戦の覇者ダニエル・リカルド(マクラーレン)がつけた。4番手ハミルトンはスタートで失速し、オープニングラップで7番手まで後退した。

 一方、12番手角田は1周目に最後尾まで転落、レースペースも思うように上がっていかなかった。

 レース序盤からトップ2台が後方を突き放す中、3番手ラッセル以下は7番手セルジオ・ペレス(レッドブル・ホンダ)までの隊列が出来上がった。

 後方スタートのフェルスタッペンやボッタスはレース序盤から着々と順位を回復していった。6周目でフェルスタッペンは、”盾役”とも見られたボッタスを一発でオーバーテイク完了。レース10周目にさらに2台を抜き、12番手まで浮上した。

 トップ争いに目を移すと、サインツJr.とノリスの元チームメイトバトルが白熱。ノリスはDRSを用いてサインツJr.背後まで迫るも抜ききれないという周回が続いたが、13周目のターン13でノリスが首位を奪還した。

 降雨によりラバーが流された路面、そしてダウンフォース量が抜けるDRSトレインの中で多くのマシンには、左フロントタイヤにグレイニング(ささくれ摩耗)が発生。2番手に下がったサインツJr.がこれに絶えきれずピットでハードタイヤに交換する中、トップのノリスはそのまま周回を続行した。しかも、ペースは落ちるどころかむしろ上がっていった。

 フェルスタッペンはミディアムタイヤでスタートしたマシンがピットインしたこともあり、19周目で5番手フェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)の背後に迫った。この時点で、2番手リカルドを抜きあぐねる3番手ハミルトンとのタイム差は3秒と、脅威の追い上げを見せた。

 23周目でリカルドがピットへ入り前が開けたハミルトンがファステストラップを更新しながら、一気にペースを上げた。ハミルトンは27周目までピットストップを遅らせ、同じタイミングでハードタイヤのフェルスタッペンもピットへ入った。

 ハミルトンはピットストップで失った順位を順調に回復しノリスを追う中、フェルスタッペンはピットアウト後に遅いマシンの隊列に捕まってしまい、両者の明暗が別れた。

 29周目にピットインし、4番手でコースへ復帰したノリスのトップ争いの相手は、サインツJr.からハミルトンへと切り替わっていた。35周目で、事実上のトップである3番手ノリスから4番手まで順位を上げたハミルトンまでは4秒差となった。

 ノリスの前を走っていたペレスとアロンソが27周目でピットへ入ったことでノリスが自動的に首位返り咲き。2秒差でハミルトン、そこから大きく離されてサインツJr.が3番手に並んだ。

 ミディアムタイヤを履くフェルスタッペンは、ピットアウト直後のアロンソに抜かれ7番手に後退。その後もペースが上がらず、アロンソに食らい付いていくのが精一杯で、徐々に上位、特にハミルトンとの差が開いていった。

 ノリスとハミルトンは、39周目以降から3番手以下より2秒近く速い1分37秒台の驚異的なペースでトップ争いを展開。ハミルトンをもってしても、なかなか1秒以内に近づけなかった。

 だが、レース46周目に雨がコースを濡らし始めた。ドライバーも降雨を無線で訴え、グランドスタンドの観客も傘を開き始めた。濡れた路面に足を取られ、47周目のターン6でノリスがコースオフ。ノリスはポジションを死守したが、ハミルトンとのその差は0.3秒まで縮まった。

 5周を残し、雨は急速に勢いを増した。後方のドライバーを中心にインターミディエイトタイヤへ履き替え始め、それに続くように上位勢も続々とピットへ飛び込んだ。トップのノリスはピットへ入ることを拒絶した反面、2番手ハミルトンは雨が更に強まると判断し、49周を走り切ったところでスリックタイヤでの走行を諦め、インターミディエイトタイヤに交換した。

 この時点で、先頭のノリスとピットへ入ったハミルトンとの差は25秒。ただインターミディエイトタイヤの方がペースが速く、ノリスは次の周にピットインしても首位を明け渡してしまうのは明らかだった。引くに引けないノリスはそのままスリックタイヤでの走行を続行した。

 しかし雨は激しさを増し、スピンするマシンが続出。51周目にノリスもスリップアウト。ここでハミルトンがトップに立ち、ノリスは無念にもピットストップするしかなかった。

 結局トップでチェッカーを受けたのは、前人未到のF1キャリア100勝目を達成したハミルトン。フェルスタッペンが雨を味方に、最後尾から追い上げて2位フィニッシュを果たした。フェルスタッペンはドライバーズランキングではハミルトンに逆転されたものの、PU交換によるペナルティのダメージを最小限に抑えた格好だ。

 3位には、レース序盤にトップ争いを演じたサインツJr.が入り、移籍後2度目の表彰台を獲得した。勝利が目前で手から滑り落ちていったノリスは7位でレースを終えた。しかもノリスは、ピットストップを行なう際にピット入口でスリップしてしまい、ホワイトラインを超えたとして審議対象になっている。

 また、終始ペースの上がらなかった角田は最終盤にソフトタイヤを投入するなど試行錯誤が見られたが、17位でチェッカーを受けた。チームメイトのガスリーは13位だった。

 雨がまたも波乱を呼んだロシアGPを終え、バーレーンから始まった今シーズンは既に15戦を終了。8戦を残し、ハミルトンとフェルスタッペンのポイント差はわずか2ポイントだ。どちらがこの争いを制するかは、まだ誰にも分からない。

 さあ、次戦はイスタンブール・パーク・サーキットで行われるトルコGP。どのようなドラマが待っているのか、2週間後が今から待ち遠しい。

 
 

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