FIA、レッドブル“車高調デバイス”の捜査終了を宣言。不正疑惑浮上で徹底調査求める声も「伝聞や憶測ではなく根拠が必要」
レッドブルのフロントビブ車高調整デバイスをめぐる論争について、FIAはこれ以上の調査を行なわないと明かした。
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FIAは、レッドブルのフロントビブ(Tトレイ)車高調整デバイスをめぐる問題が幕を閉じ、さらなる調査は行なわないと説明した。
前戦シンガポールGPでFIAが当該パーツを取り締まる動きを見せ、ライバルチームからレッドブルがパルクフェルメ下で車高を変更しているのではないかという疑惑が浮上したことを受けて始まった今回の騒動。レッドブルも違法性はないとしながらもデバイスの存在を認めたことで、アメリカGPのパドックを騒がせた。
FIAはアメリカGPに向け、レッドブルRB20のフロントビブをレギュレーションに沿っていない形で調整することができないよう封印を追加。デバイスの調査も行なわれた。
その結果、FIAはレギュレーション違反がないと確信。過去にレッドブルがこのデバイスを不当に使用したことがないと断言するのは不可能だとしながらも、この件をこれ以上深く掘り下げることは現実的ではないとの考えを示した。
FIAのシングルシーター担当主任のニコラス・トンバジスは次のように説明した。
「正直なところ、不正なことがあったかどうか完全に断言できるかと訊かれればノーだ。しかしこの件が終わったと言えるかと訊かれれば、もちろんイエスだ」
Nikolas Tombazis, Head of Single Seater Technical Matters, FIA
Photo by: Mark Sutton
タイトルを争うマクラーレンはFIAに対して、レッドブルが過去にこのデバイスを使用していたかどうか追加調査を求めている。しかしトンバジスは、過去に何が行なわれたかについて答えを見つける現実的な方法はないと語った。そしてFIAが単なる憶測からこれ以上の行動を起こすことはないと説明した。
「過去に起こったことを遡って正確に証明することは難しいし、2年分の状況を調査する能力を有しているとは思えない」とトンバジスは言う。
「全体として、我々が問題を深刻に捉え、スチュワードや法廷に訴えることを決定する場合、伝聞や単なる憶測ではなく、何らかの合理的な根拠が必要だ」
「設計が違法でない以上、『継続的な懸念がないと証明するためには、ある程度のことが必要だ』と言うのが正しい行動だと考えている。時間的な線引きも必要であり、これ以上詳細には踏み込めないこともある」
またトンバジスは、FIAが毎週末撮影しているガレージのCCTV画像を分析することでチームがデバイスを不当に使用した証拠が得られるのではないかと考えるのは現実的ではないという。
「みんなマシンにあるモノをチェックすることは許されている」とトンバジスは言う。
「ボディーワーク全てを取り外し、50項目ものことをしなければならないのであれば、間違いなくカメラには映るはずだ。しかし、あれほどシンプルで素早い作業では、カメラやバーチャル画像などでチェックするのは現実的ではない」
Christian Horner, Team Principal, Red Bull Racing, Helmut Marko, Consultant, Red Bull Racing, talk in the garage as mechanics work on the car of Max Verstappen, Red Bull Racing RB20
Photo by: Mark Sutton / Motorsport Images
パドック関係者の中には、FIAがレッドブルのスタッフに取り調べを行なったり、情報源として内部協力者を探したり、と過去に不正がなかったと徹底確認する必要があるという意見もある。
しかしトンバジスは、FIAとして問題を追求する際には情報を精査する必要があるとして、現時点ではその価値がないと説明した。
「我々は人間を相手にしていることを常に考慮する必要がある」とトンバジスは言う。
「相手にしているのは、状況に応じて変化する人々だ。古い忠誠心と新しい忠誠心がある。だから、どのように追求していくかについては少し注意が必要だ」
「ウソ発見器を装着して、明るい照明の下で尋問するとか、そういうことはしたくない。ここで我々がやりたいのは、そういうことではない」
「私は過去にチームでかなり仕事をしていた。他のチームの人を雇ったこともある。時折、『私の元いたチームではこうやっていた』と言われることがある」
「このような発言には、時にかなり慎重な解釈が必要になる。そのようなコメントだけで、追求の根拠とすることはできない」
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