0.5秒のロスに繋がる可能性も? レッドブル、予算超過認めるも罰則の影響大と予想「だからライバル勢は重罰を求めた」
レッドブルのクリスチャン・ホーナー代表は、2021年にチームが犯した予算制限レギュレーション違反による罰則は今後のマシン開発への影響が「膨大」で「厳しい」モノだと語っている。
写真:: Carl Bingham / Motorsport Images
FIAは10月28日(金)、2021年シーズンに予算制限レギュレーションで規定されている上限である1億4500万ドル(10月29日のレートで約213億円)を超過したレッドブルと、違反容認合意(Accepted Breach Agreement/ABA)を締結したことを発表。レッドブルは186万4000万ポンド(約3億2000万円)の超過により、700万USドル(約10億円)の罰金と今後12ヵ月間の空力試験時間の10%削減が言い渡された。
FIAは報告書の中で、レッドブルが調査の中で「誠実な」対応をしたとして、チームが複数ヵ所で解釈を間違い予算を超過したと明かしている。
レッドブルはこの罰則を受け入れるものの、罰則はマシンパフォーマンスに大きな影響を与えると考えているようだ。
メキシコシティGP初日にエルマノス・ロドリゲス・サーキットで行なわれた記者会見に出席したレッドブル・レーシングのクリスチャン・ホーナー代表は、レッドブルが何故チームが誤った解釈をして超過に至ったのか、そして何故ABAを受け入れたかを説明したが、レッドブルに下された罰則の厳しさは直接的なライバルたちのロビー活動によるものだと指摘している。
ホーナーは700万ドルの罰金を「莫大な金額」として上で、1年間の空力テスト制限は「より過酷な点」だと考え、次のように続けた。
「今日、それが取るに足りない額だとみんながレポートしているのを耳にしたよ」
「今言えることは、これ(ペナルティ)は莫大な量だということだ。0.25秒から0.5秒のラップタイムに相当するものだ。これは来季マシンに直接的な影響を与えるモノで、12ヵ月に渡って適用される」
「コンストラクターズチャンピオンを獲得したことで、その10%に加えて2位や3位チームと比較して5%のハンディキャップを背負うことになるため、成功によって自分の首を絞めることとなる」
「その10%が現実のモノとなれば、来季レースでのパフォーマンスに影響が出ることとなる」
Christian Horner, Team Principal, Red Bull Racing
Photo by: Carl Bingham / Motorsport Images
F1の競技規則付則7の第6条では、風洞実験とコンピュータ流体解析(CFD)にかけられる時間におけるハンディキャップ制度が設けられており、前年のコンストラクターズランキング1位のチームは、同ランキング7位のチームと比べて70%、2位のチームが75%、3位のチームが80%の試験が許可されている。ただレッドブルは今回の罰則により、70%×(1-0.10)で63%しか試験時間を確保できないこととなった。
レッドブルは今季アメリカGPで早々にコンストラクターズタイトルを決めたものの、この12ヵ月という制限期間が2023年と2024年マシンの双方に影響が出るとホーナーは考えており、その罰則の重さはライバルチームのロビー活動によるものだと批判している。
「これでライバルにアドバンテージを与えることとなった。だからこそ彼らは厳しいペナルティを強く求めていたのだ」
そうホーナーは語る。
「我々は残された時間の中、懸命に働く必要がある。私はこのチームと、このチームの能力を信じている。チームはそれを何度も示してきたと思う」
「FIAが科すことが可能な競技罰則は他にもあった。しかしこれは明らかに、ライバルたちが強く要求していたモノだ。彼らは、それが我々に最も大きな打撃を与えられると感じたからだろう」
そしてホーナーは最後に「我々の風洞を焼き払ったとしても、彼らは不十分だと言うだろうね」と付け加えた。
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