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レッドブルが直面するライバルからの”政治的”駆け引きは、「正しいこと」をしている証?

レッドブルのチーム代表であるクリスチャン・ホーナーは、ライバルチームから様々な政治的駆け引きを仕掛けられていることは、「正しいこと」としていることの証だと考えている。

Christian Horner, Team Principal, Red Bull Racing

Mark Sutton / Motorsport Images

 今シーズンのF1で、メルセデスと熾烈なタイトル争いを繰り広げているレッドブル。2014年以降、メルセデスが圧倒的なまでの強さでF1界を支配してきたが、今季はレッドブルがパフォーマンスを増し、現行の”パワーユニット”時代で初めてタイトルを獲得することができるかもしれない。

 しかしレッドブルにとって、今シーズンは順風満帆ではない。ただコース上で優劣を決すればいいというだけでなく、メルセデスの”政治的”な駆け引き、そしてそれによって発出された多くのFIA技術司令に対処しなければいけなかったのだ。

 レッドブルのクリスチャン・ホーナー代表はこのことについて、本当の意味でライバルを苛立たせることができている証だと考えている。

「彼らは、皆さんが予想しているよりもかなり多くのエネルギーを、そのことに注ぎ込んだ」

 ホーナー代表はメルセデスのロビー活動について、そう語った。

「それは、明確な戦略だった」

「でもそれは、彼らが我々のことを脅威に思っているということを示しているだけだと思う。そして人々が指摘を始めたとしても、我々は正しいことをしていると思う」

 今シーズンのメルセデスとレッドブルの戦いは、ここまで大接戦になっている。前半戦では、メルセデスが4勝を挙げたのに対してレッドブルが6勝。ただレッドブルはクラッシュによる無得点なども響き、コンストラクターズポイントではメルセデスの303ポイントに対して291ポイント……一時は大きなリードを築いたこともあったが、結局前半戦を終えたところでランキング2番手に甘んじている。

 今シーズン、空力に関するレギュレーションが若干変更され、マシンのダウンフォース発生量が制限されている。レッドブルとメルセデスのパフォーマンス差が縮まったのは、メルセデスが空力面で苦労しているからなのか、それともレッドブルが大きな進歩を遂げたからなのか……それを正確に判断するのは難しい。しかしレッドブルが、マシンのスイートスポットを発揮し切れなかった2020年の後、その面を強化したのは明らかだ。

 ホーナー代表も、今シーズンの進歩が、いくつかの要因の集大成であると考えている。

 まずチームは、昨シーズンが終了するまでに、実際のマシンと開発データの相関関係の問題を解決できていたという。昨シーズンから今シーズンにかけては、チームの支出を削減すべく、シャシーを継続使用することが義務付けられたため、冬を迎える前にマシンに自信を持つことができるのは、翌年に向けて大きくプラスに働くことになった。

「ある程度のコンポーネントを継続使用することにより、明らかに恩恵を受けることになった」

 ホーナー代表はそう語る。

「そして、相関関係の問題が解決したこともあった。我々は問題がどこにあるかを理解し、それに対処することができた。それが重要なことだったと思う。今年の前半6ヵ月は、確かにそうだった」

Max Verstappen, Red Bull Racing RB16B after the crash

Max Verstappen, Red Bull Racing RB16B after the crash

Photo by: Jerry Andre / Motorsport Images

 今季の新しい空力レギュレーションは、フロアの面積を縮小し、ダウンフォースを削減しようとするモノだ。そのような状況では、メルセデスやアストンマーチンといったレーキ角(マシンの前傾角)が小さいマシンの方が、レッドブルのようなレーキ角の大きいマシンよりも多大な影響を受けたと言われている。しかし事前の段階ではその影響を把握するのは難しかったという。

「実際には、今年のレギュレーションは、ハイレーキのマシンに大きな影響を与えるのではないかと心配していた」

 そうホーナー代表は語ったが、彼らにとっての後押しとなったのは、それだけではなかった。ホンダが2021年限りでF1活動を終了すると決めたことを受け、当初は2022年に投入される予定だった新構造のパワーユニットを1年前倒しで投入。これも高いパフォーマンスを発揮した。

「様々なことの組み合わせだったと思う。いくつかの問題を解決し、非常に多くの問題に対処。熟成されたパッケージを作り出すことができたんだ」

 そうホーナー代表は付け加えた。

「ホンダが2022年に投入を予定していたパワーユニットを今年に前倒ししたことも、それに加わった。今年は彼らにとってF1で最後のシーズンだし、彼らは超人的とも言える努力をしてくれた。その結果、全てをまとめることができたんだ」

 そのホンダの努力は、特に興味深いモノだと言えよう。いくらパフォーマンスが向上したとはいえ、レッドブルとメルセデスのパフォーマンス差はわずか。ホンダのアップグレードがなければ、状況は大きく異なっていた可能性もある。

 ホンダが2022年用パワーユニットを、今シーズン前倒ししたことについてホーナー代表は、次のように語る。

「エネルギーを使うという面でのパッケージングの観点、それと同様に向上の比率から言えば、彼らは良い仕事をしたと思う」

「そしてどちらかと言えば、メルセデスはその比率という部分で、今年はわずかに妥協したと私は思う」

Adrian Newey, Chief Technical Officer, Red Bull Racing, and Max Verstappen, Red Bull Racing, 1st position, with the winning Constructors and Drivers trophies

Adrian Newey, Chief Technical Officer, Red Bull Racing, and Max Verstappen, Red Bull Racing, 1st position, with the winning Constructors and Drivers trophies

Photo by: Andy Hone / Motorsport Images

 昨年までと比較して、今シーズンが大きく異なるのは、たとえランキング上では後れをとっていたとしても、純粋なペースの面ではレッドブルがメルセデスに差をつけていることだ。

 これまでの数年、レッドブルが挙げてきた勝利のほとんどは、特殊なサーキットだったり、戦略的な要素が絡んでいたり、あるいはアクシデント絡みだった。しかしそんな時代はもう過去のことだ。

「今年はこれまで6レースで優勝することができた。これは、過去数年を考えると驚異的な記録だ。そしてチャンピオン争いに加わることができるのは、誰にとってもエキサイティングなことだ」

「この7年もの長い間、我々はサポート役のような立場にあった。戦略がうまくいった時にはレースに勝つことができたが、シーズンを通してそれをまとめ切ることはできなかった」

「でも今では、チャンピオン争いをするための道具が揃っている。非常に優れたパフォーマンスを発揮するシャシーがあり、エンジンがあり、そして上位争いでの経験が豊富なドライバーもいる」

 イギリスとハンガリーではアクシデントに巻き込まれ、多くのポイントを獲り逃したレッドブル。このことは、チャンピオン争いを繰り広げることは当然ではないという証拠と言えよう。

 しかしホーナー代表は、シーズン後半さらにチームを強化する必要があると指摘する。

「前半戦より上手くやらなきゃいけないんだ!」

 そうホーナー代表は語る。

「我々は、今やっていることを続けなければいけない」

「コース上でも、コース外でも、いくつかの課題がある。でも今のアプローチを継続し、それぞれのセッション、予選、決勝で、チームとしてのパフォーマンスを最大化していくようにしなきゃいけない」

「現時点では、それぞれのイベントをひとつずつ確実に過ごしていかなければいけない。しかしシーズンが終わりに近付くほど、プレッシャーが高まる」

 

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