レッドブル代表、ハミルトンの新エンジン効果は”コンマ数秒”と予想。しかし決勝は自信大!?

　F1サンパウロGPの予選では、メルセデスのルイス・ハミルトンが圧倒的な最速タイムを記録した。これについてレッドブルのクリスチャン・ホーナー代表は、ハミルトンが今回新しいエンジン（ICE）を投入したことでコンマ数秒の効果を手にしていると考えているものの、レースではレッドブルにもチャンスがあるはずだと考えている。

　サンパウロGPの予選では、ハミルトンがフェルスタッペンに対して0.4秒以上の差をつける圧倒的な最速タイムを記録。スプリント予選レースのポールポジションを獲得することになった。

　今回ハミルトンは、エンジンを新しいモノに交換。これは今シーズン5基目であり、日曜日の決勝レースでは、5グリッド降格ペナルティを受けることになっている。ただその効果は明らかで、タイトル争いのライバルであるフェルスタッペンに対して、予選で前述のような大差をつけた。

　これについてレッドブルのホーナー代表は、次のように語った。

「新しいエンジンは、明らかに彼にパワーをもたらしている。だから2番手という結果は、我々が望むことができる最高のモノだったように思う。だからフロントロウにつけることができたわけだから、我々にとってはそれで十分だ」

　そう語るホーナー代表は、その新しいエンジンの効果について、次のように推測した。

「予測するのは難しい。しかしバルテリ（ボッタス／メルセデス）との速度の差からすれば、コンマ数秒を稼いでいるはずだ。それが、今回彼らが新しいエンジンを投入した理由だというのは明らかだ」

　パワーの面ではメルセデスにアドバンテージがあるにも関わらず、ホーナー代表はレッドブルのマシンのパフォーマンスには満足しているという。その上で、ハミルトンにはグリッド降格ペナルティが科されるため、決勝レースではフェルスタッペンに十分なチャンスが残っていると考えているようだ。

「我々はレースで強いマシンを手にしていると思う」

　ホーナー代表はそう語った。

「今週末は、もっと暑くなっていくだろう。そしてここでは、タイヤが勝敗を分ける重要な要因になる。金曜日はかなり涼しかったが、土曜日以降どうなるか見てみよう」

　レッドブルのモータースポーツ・アドバイザーであるヘルムート・マルコも、予選でハミルトンとフェルスタッペンの間に生じた0.438秒というタイム差は、ふたりのパフォーマンスを正確に表したモノではないと考えている。

「マックスはまともなラップを走っていないので、実際の差は0.2秒程度だろう」

　そうマルコは語る。

「それでも、1周の距離が短いこのサーキットでは、十分に大きな差だ」

「しかし通常なら、我々のレーススピードは、予選のそれよりも優れている。それが土曜日以降への希望だ。そしてそれも、全てはタイヤ次第だ。攻め続けたとしたならば、ミディアムタイヤは持ち堪えられるだろうか？」

「フロントロウを獲得したことについては満足しているが、（ハミルトンとの）差は我々が満足できないほどのものだった。しかし、まだ何かを失ったわけではない。このままのポジションで（スプリント予選レースを）フィニッシュすることができれば、決勝ではポールポジションからスタートすることができる。これ以上のことは何も期待できなかった」

　なおフェルスタッペンは金曜日の涼しいコンディションでは、フロントタイヤをマネージメントするのが難しかったと語っていた。しかしホーナー代表は、気温が上がれば、リヤタイヤのマネジメントの方が重要になってくるだろうと考えている。

「レースでは、また違った状況になると思う」

　そうホーナー代表は語った。

「金曜日にはフロントタイヤについて話をしていたが、スプリント予選レース、そして特に日曜日には気温が上がると考えられているため、リヤタイヤの方が重要になってくるだろう」

「私は、ここにはレースで良いマシンを持ち込むことができたと思う。だから、実際にはどうなるのか、見てみることにしよう」