レッドブル、ポルシェとの契約はまだ決まっていない? ホンダとの提携継続も? ホーナー代表「我々は自分たちの道を進む」
レッドブルのチーム代表であるクリスチャン・ホーナーは、F1ベルギーGPの際にインタビューに応じ、2026年からのF1パワーユニットプログラムに関して、ポルシェとの提携がまだ完全に決定したわけではないと語った。
写真:: James Holland
2026年からポルシェのパワーユニット(PU)を使うことになると広く信じられているレッドブル。しかし同チームの代表であるクリスチャン・ホーナーは、ポルシェとの契約がまだ結ばれていないことを認めた。
F1ベルギーGPの木曜日、新しいPUレギュレーションが導入される2026年シーズンから、アウディがPUサプライヤーとして参入することが発表された。このアウディは最終的にはザウバーを買収し、チームとして参戦することになると見られている。
アウディと同じフォルクスワーゲン傘下のブランドであるポルシェも、レッドブルと組む形で2026年からF1に復帰することが確実視されているが、まだ発表されるには至っていない。
レッドブルはミルトンキーンズに設立されたPU開発部門”レッドブル・パワートレインズ”で、新パワーユニットの開発を進めている。そして最新の情報では、ポルシェがこの事業の株主となり、PUの名称に”ポルシェ”の名前を冠するマーケティング契約になるのではないかと見られている。レッドブル・パワートレインズで働くポルシェのエンジニアも、ごくわずかになるという。
しかし2026年からのPUレギュレーションが承認されたにも関わらず、レッドブルとポルシェの契約はまだ確定していないようだ。
Max Verstappen, Red Bull Racing RB18, Sergio Perez, Red Bull Racing RB18
Photo by: Red Bull Content Pool
レッドブルのホーナー代表は、ポルシェとの契約に関わらず、レッドブルは独自にPUを開発しているという。
「我々はレッドブル・パワートレインズで仕事を進めている」
ホーナー代表は現状についてそうmotorsport.comに語った。
「彼らは夏休みの前に最初のエンジンを始動させた。そして2026年はまだ先のことだ」
「まだ時間は十分にあるし、戦略的にもチームや会社にとって正しいことをしなければいけない。それは明らかに株主の間の問題だ。そしてポルシェとは、建設的な議論が進められている」
ある情報筋によれば、株式の保有や議決権などの重要な問題について、まだ議論が進められている途中だという。まもなく行なわれるポルシェの新規株式公開も、最終的な契約を結ぶ上で複雑になっているようだ。
さらに興味深いことに、レッドブル陣営の中には、2026年以降も現在のホンダとの関係を続けていきたいと考える意見もあるという。ホンダの中にも、2026年以降F1に正式復帰したいという声があるという情報もある。
ホンダは2021年シーズン限りでF1活動を終了させたが、現在もレッドブル・パワートレインズへの技術サポートをHRC(ホンダ・レーシング)として続けており、最近では2025年までこの提携が続くことが発表された。
レッドブルがホンダとの関係を続ける可能性があるかと尋ねられると、ホーナー代表は次のように説明した。
「2026年に向けては、まだ何も決まっていないと思う。つまり、レッドブル・パワートレインズは確立されており、300人以上のスタッフを採用している。だからそれが我々の道なんだ」
The new Audi Sport F1 concept car
Photo by: Mark Sutton / Motorsport Images
ホーナー代表は、レッドブル・パワートレインズのプロジェクトが既に進行しているため、バッジをどうするかは急ぐ必要はないと語った。
「時間的なプレッシャーはない。2026年といえば、あと3年と少し先だからだ。急ぐ必要はない。したがって、明らかに建設的な議論が進行中なんだ」
2026年のF1に参戦するPUマニュファクチャラーは、参戦の意向をFIAに通知し、10月15日までに手数料を支払わなければならない。そうすることで、将来のルール変更など、FIAやF1、既存のメーカーで話し合われてきたことについて投票を行なう権利を手にすることができる。
この10月15日という”締め切り”について、ホーナー代表は次のように語った。
「締め切りの日付が設定されている。しかしそれは、それ以降に行なわれる交渉を排除するものではない。だからレッドブル・パワートレインズは、2026年にふたつのチームにPUを供給する」
ホーナー代表曰く、レッドブル陣営の中ではどんなルートを辿るべきかという議論もないという。
「そういう議論はない。根本的には何も変わらない。そして我々には、2026年に向けてエンジンを生産するレッドブル・パワートレインズがある」
「その全体的な目的は、フェラーリ以外の唯一のチームとして、エンジンとシャシーを統合させ、全てをひとつの屋根の下に置くことだった。それが絶対的で明確な計画なんだ」
このレッドブル・パワートレインズのプロジェクトが、ホンダとの提携となる可能性はないのかと改めて尋ねると、ホーナー代表は次のように説明した。
「現時点で我々は、自分たちのプロジェクトに集中している。そして確かに、多くの憶測がある」
「このF1に参入する、またはF1に留まることに関心があるメーカーがいるのは、素晴らしいことだ。しかし、レッドブル・パワートレインズとしてはコミットメントした。我々には設備があり、テストベンチがあり、能力があり、スタッフを雇用した。それもF1で最高の才能を持つ人たちだ。我々は将来に向け、非常に健全な場所にいると信じている」
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