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ウチがナンバー1エンジン? そんなワケない! レッドブル、FIAにADUOの再検証を要求

F1初の試みであるADUOの検査結果発表は、レッドブルが追加申請を要請したため延期。FIAが正確性を確認するため、さらなるチェックを実施しているようだ。

Isack Hadjar, Red Bull Racing

 F1モナコGPの週末、各チームとパワーユニット(PU)メーカーは、追加アップグレードおよび開発機会(ADUO)による救済メカニズムの最初の検証結果について通知を受けた。

 パフォーマンス面で大きく遅れたPUメーカーを救済するための措置であるADUOは、最高出力を誇るエンジンからの性能差2%ごとに、追加のアップデートが許される形となっている。

 そしてFIAの測定の結果、基準となるエンジンはレッドブルのモノであり、大方の予想を裏切る形でメルセデスにもアップデートが許可される形となった。

 レッドブルのエンジンと比べメルセデスは2~4%劣っており、今季と来季に1回ずつ追加でアップデートできる権利が与えられる。フェラーリ、アウディ、ホンダはいずれも内燃機関の出力が4%以上劣っているカテゴリーに属しており、そのため今シーズン中に2回、2027年にさらに2回のアップグレードが認められる。

 これらの結果はすでにパドック全体に広く知られているものの、FIAからの公式発表はまだ行なわれていない。これはFIAが当初、最初のADUO期間の結果をカナダGPから2週間以内(つまり8日まで)に公表すると述べていたにもかかわらずのことである。

 その理由は、あるメーカー(当然ながらレッドブル)が追加審査を要請したためだ。Motorsport.comが入手した情報によると、この追加審査は現在進行中である。FIAは8日に審査を開始し、完了までには1週間から10日程度かかる見込みだ。

 レッドブルはADUOの結果に対して正式に抗議することはできないものの、今回の追加審査は主に結果の妥当性を検証することを目的としている。FIAは、すべてのセンサーが正しく機能しているか、そして分析されたすべてのデータが正確であるかを再度確認する。これらの確認が完了して初めて、結果が正式に発表される。

Oscar Piastri, McLaren, Isack Hadjar, Red Bull Racing

Oscar Piastri, McLaren, Isack Hadjar, Red Bull Racing

Photo by: Dom Gibbons / Formula 1 via Getty Images

 追加審査は事実確認のプロセスではあるが、ADUOの問題はもっと根深いところにある。

 測定方法とそれに伴うアップグレードの機会の間には、大きな乖離がある。測定対象はエンジンのみだが、メーカーがADUOの対象認定を受けると、バッテリーやMGU-Kなどの電気部品の改造も許可される。

 今回の結果は、その差を最悪の形で露呈させた。もしこの結果が正しければ、レッドブルは最強のエンジンを搭載していることになるかもしれないが、パドックではメルセデスが依然として総合的に見て最高のPUを持っているという見方が一般的だ。

 現在の結果では、最強のメルセデスが自らのPUをさらに強化する機会を得ることになり、ADUOの本来の目的とは全く異なる結果となるだろう。

 問題は測定方法にあるが、FIAシングルシーター部門ディレクターのニコラス・トンバジスは昨年、すべてのチームとメーカーがその方法に賛成票を投じたと説明している。

「2025年の春に、彼らとかなり長い話し合いをした」とトンバジスは語った。

「例えば、ターボ圧やターボのサイズ、プレナム(吸気室)の作動温度などを考慮に入れるべきではないかという提案はした。しかし、その当時のPUメーカー各社の共通した立場は、『シンプルなままにしておくべきだ』というものだった」

「そのため、現在のようにエンジンの馬力だけを測定基準とする方式は、当初からメーカー側に支持されていたのだ。個人的には、評価基準をもう少し複雑にすることにも前向きだが、その議論はすでに1年以上前に行なわれており、その結論は非常に明確だった」

 もうひとつの問題は、ADUOがメーカー間の駆け引きの余地を生み出している点だ。

 メーカーはアップグレードを意図的に溜め込むことは認められていないものの、新仕様を投入するまでには準備期間が必要なため、そのタイミングを利用した戦略的な行動が可能になっている。

 例えば、メルセデスとフェラーリが次回、あるいはその次の性能評価までに予定しているアップグレードをすべて投入しなければ、理論上はレッドブルが次回の査定でもエンジン性能ランキングの首位に留まることになる。

 そうなれば、レッドブルは再び追加の開発機会を得る資格を失い、競争相手が後から性能向上を実施することで有利な立場を築く余地が生まれてしまう。

 こうした制度上の欠点は短期間で解決できるものではないが、少なくともFIAはレッドブルの要請を受け、現在の測定結果が事実として正確であるかどうかを公表前に検証している。

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