レッドブル&ホンダ、バクーで公式会合。PU供給に向けて一歩前進か?
レッドブルとホンダは、バクーで初めての公式会合を開き、PU供給契約に向けた話し合いを行ったという。










レッドブルとホンダは、アゼルバイジャンGPが開催されたバクーで初めて公式会合を開き、パワーユニット(PU)の供給契約に向けた話し合いを行ったという。
現在ルノー製PUを使用しているレッドブルは、姉妹チームのトロロッソにホンダのPUを使用させ、ホンダのオペレーションや、今シーズンのトロロッソの状況を伺っている。
そして先週末のバクーにて、レッドブルのモータースポーツアドバイザーを務めるヘルムート・マルコは、ホンダのモータースポーツ部長の山本雅史氏と面会したという。
今回バクーで行われた会合は、レッドブルとホンダにとって初めての公式な場となり、PU供給の可能性や、契約締結のためにお互いが要求する条件などについて話し合ったという。
FIAの競技規則に則り、PU供給の概要を確定させる期日は5月15日となっており、そこに向けての会議に両者は満足しているようだ。
この期日については、全てのPUマニュファクチャラーやFIAの了承を得ることができた場合、日程を変更することが可能である。しかし、現在レッドブルと供給契約を締結しているルノーは、彼らとの契約を延長するのならばその期日を動かすべきでないと主張していた。なおルノーとレッドブルの契約は、今シーズン末までとなっている。
レッドブルがルノーとの契約を期日ギリギリまで延長しないことを選択した場合、ルノーとホンダのパフォーマンスや開発レベルは重要な比較ポイントとなってくる。
レッドブルとルノーは、2010~2013年まで4年連続でコンストラクターズタイトルを獲得した経験を持つ。しかし2014年よりV6ターボ・ハイブリッドエンジンを使用するようになって以来、両者の関係は難しいものとなっており、現在レッドブルが使用しているルノーPUにはタグ・ホイヤーの名前が付けられている。
2014年以降、メルセデスとフェラーリがルノーを上回る勢力図となってるが、その状況下においてもレッドブルはこれまで9勝を挙げている。
今年はダニエル・リカルドが中国GPで今シーズン初優勝を挙げ、レッドブルは2013年以来初めてメルセデスよりも先にシーズンの初優勝を記録した。しかし今年もシーズン序盤から複数のトラブルに見舞われている。これにより、レッドブルはホンダPUを使用するというギャンブルに出るのではないかという推測が強くなっているのだ。
ホンダは依然としてERSや内燃エンジン技術の改善を模索しており、レースに勝てるPUの用意ができているという証明はできていない。しかし今年は、より改善が進んでいるという証拠はあるようだ。
マクラーレンがホンダPUを使用していた過去3シーズンにおいて、彼らの最高成績は5位だった。しかし今年のバーレーンGPでは、ピエール・ガスリー(トロロッソ)が4位に入賞しその成果を上回った。
マクラーレンとホンダの契約が短期間だったことが、彼らの契約解消を引き起こしたのではないかという疑問もある。ホンダは周囲とのギャップを埋めようと苦戦していたが、最終的にマクラーレンはこの3年間の低迷した成績にしびれを切らした。その結果、マクラーレンはホンダとの契約を解消し、今シーズンからルノーPUを使用。それに伴いトロロッソがホンダPUを使用するという複雑な”交換”がなされたのだった。
この記事について
シリーズ | F1 |
チーム | レッドブル・ホンダ |
執筆者 | Scott Mitchell |