ルノー、マクラーレン移籍のリカルドを、今季マシン開発に関与させると明言
ルノーF1のチーム代表であるシリル・アビテブールは、マクラーレンは来季に向けた開発トークンの全てをパワーユニット変更のために使わなければならないため、同チームに移籍する予定のダニエル・リカルドをマシンの開発に関与させると語る。
写真:: Mark Sutton / Motorsport Images
現在ルノーに在籍するダニエル・リカルドは、フェラーリに移籍することが決まったカルロス・サインツJr.の後任として、来季からマクラーレンに加入することが決まっている。
つまり、リカルドがルノーに在籍するのは今季限り。通常このような状況に置かれたドライバーは、チームの機密事項漏洩を阻止するため、開発の重要な部分から外されることが多い。しかしルノーF1のチーム代表であるシリル・アビテブールは、これまでと同じように、リカルドをマシンの開発に関与させると語る。
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、今季のF1は開幕が大きく遅れた。そのため各チームは財政的な危機に直面している。この状況を打破するため、今季から来季にかけてはマシンの開発が凍結。つまり、ほぼ同じマシンで2年間を戦うことになった。
ただ各チームには開発トークン”2”が割り当てられていて、許された範囲内で開発を施すことができる。しかしマクラーレンは、パワーユニットをルノー製からメルセデス製に変更する予定であり、その際に必要な変更に、このトークン”2”を使わなければならないことになっている。すなわちパフォーマンス向上のための開発を行なうことは、基本的には不可能ということだ。
そのため、リカルドがルノーの開発から何らかの知識を得たとしても、マクラーレンの開発に活かすことはできないことになる。
アビテブールはリカルドとの協力体制について、次のように語った。
「エステバン(オコン)とダニエルの間に、優遇措置の違いはない。それは、チームの方針ではないからだ」
「正直に言って、我々はチャンピオンシップを目指して戦えているわけではない、だからそんなことは必要ないだろう。それに全く意味はなく、ダニエルはマシンの開発プロセスに関与することになるだろう」
「今年から来年にかけ、マシンの開発は概ね凍結されている。そしてマクラーレンは、トークンの全てをシャシーとエンジンの統合に使う必要がある。パフォーマンスの開発に使うことはできないんだ。そのことは、ダニエルと普通に働くチャンスを我々に与えてくれた」
「唯一の心配は、彼が2022年にそれを暴くことだ。しかし率直に言って、そうはならないだろう。たとえ我々の努力のかなりの部分がすでに2022年に向けて払われているとしても、ドライバーがそれを見るにはまだ遠いからだ」
リカルドは、シーズンが開幕する前にルノーを去ることを決断した。その決断をした後、チームの誰かに会う時には”気まずい”瞬間があるかもしれないと認めつつも、ルノーのチームの中の雰囲気が大きく変わることはないと考えていたという。
「チームで初めて誰かに会った時、ぎこちないと感じる瞬間があるかもしれない。でもそれは、僕が数年前に経験したことだ」
リカルドはレッドブルを離れ、ルノーに加入する決断をした時のことを振り返り、そう説明した。
「しかし実際には、そのニュースが流れてから時間が経っていると思う。そして僕は話をしたし、一部の会っていないチームメンバーとも、仕事上の関係に戻ることができたと思う」
「僕らはみんな、再びともにレースすることに興奮していると思う。そしていくつかのレースを共に戦い、良い結果でフィニッシュできるチャンスを手にするのを望んでいる」
「だから僕の側から言えば、そういうことは横に置いてある。今はそのことは考えていない。来年になるまで、そういうことはないだろう。だから、僕らは共に戦い続けるんだ」
「僕は数日間を、シミュレータに費やした。ファクトリーでは何人かに会ったけど、批判されることはなかったし、お腹にパンチを受けるようなこともなかった。だから、僕らは全員前に進んでいると思うし、今年の残りの期間に全力を尽くすつもりだ」
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