F1
F1メカ解説|今季はブレーキ冷却開発が“熱い”? マクラーレンの新デザイン投入で垣間見えた新たな技術競争
バーレーンテストでブレーキトラブルに見舞われたマクラーレンは、バーレーンGPに向けて新たなデザインのブレーキを投入。新レギュレーションの影響により、このエリアの開発は各チームで個性が分かれそうだ。
Matt Somerfield Giorgio Piola
編集: 2022/03/18 14:15
Copy link
Viberでシェア
Google検索でmotorsport.comをお気に入り登録

ジョルジョ・ピオラ【F1メカ解説】
Analysis provided by Giorgio Piola
2月に行なわれたF1バルセロナテストでは順調ぶりを見せていたマクラーレン。しかし3月のバーレーンテストではブレーキトラブル、具体的にはオーバーヒートが表面化し、一転して苦しいテストとなった。
この問題はフロントのブレーキアッセンブリーのデザインに起因するもので、ランド・ノリスは数周走るとオーバーヒートが発生したため、満足に連続周回できなかったという。
Read Also:
2月のバルセロナは気温が低かったため、この問題が表面化することはなかった。しかし冬のスペインと同じような寒い気候で行なわれるレースは、F1カレンダーの中でもほとんどないと言っていい。温暖なバーレーンで問題を特定したマクラーレンは、同地で行なわれる開幕戦に向けて解決策を探し出すこととなった。
バーレーンGPのピットで確認されたMCL36のブレーキを見ると、ブレーキディスクの周辺が従来のカーボンファイバーではなく金属製のシュラウドで囲われていることが分かる。
新バージョンのブレーキは形状に明らかな違いがあるが、何よりも素材が変更されたことで、ブレーキ、ホイールリム、タイヤへの熱伝導に影響を与えるだろう。
McLaren MCL36 front brake comparison
Photo by: Giorgio Piola
マクラーレンの一連の変更は、レギュレーションの大改訂によって新たな興味深い“戦場”が生まれたことを浮き彫りにしている。レギュレーションによってブレーキに関連するコンポーネントが変更されたことで、各チームの冷却へのアプローチも変わっているのだ。
今季のF1はホイールリム径が13インチから18インチに拡大。ブレーキディスクの直径も278mmから330mmに拡大されたが、その一方でドリル穴の大きさは3mm以上でなければならないため、デザインの数やパターンは限られる。
また18インチホイールとなったことでホイール内のスペースが広くなり、放熱をより難しくしている。しかもホイールカバーがついたことで、気流をホイール表面に送り込みづらい。そのため各チームは、ブレーキによって発生した熱をブレーキダクトフェンスにある排出口から逃さなければならなくなった。
前述の通りホイールリム径が拡大したことにより、ブレーキアッセンブリーのためのスペースも広くなっている。そこでマクラーレンはブレーキディスクを分厚い金属で囲い込み、ブレーキ時に発生する熱の“脱出経路”を確保するという、興味深いデザインの方向性を導き出した。
レッドブルもマクラーレンと同じく、ブレーキディスクを覆い隠す手法を取り入れている。ただ彼らは違った素材を採用しているようで、中に断熱材を詰め込んでいるようにも見える。
一方でアルピーヌは、マクラーレンやレッドブルのようにブレーキディスクを何かで覆うのではなく、ブレーキキャリパーをアッセンブリーの前方にマウントするという手法。カーボンファイバーで出来た冷却部には涙滴状の通気口があり、ここからブレーキディスクの熱を逃がしているようだ。
Read Also:
- レッドブル、『RB18』のサイドポンツーンをブラッシュアップ。下部のえぐりこみがさらに過激に
- メルセデスに端を発するミラー論争。フェラーリは規則の明確化求める「4年前、我々のミラーは外されたのに……」
- 【完全図解】F1ステアリングホイール進化史:前編〜技術革新の始まり〜
- ブレーキ進化の歴史が物語る、”走る実験室”モータースポーツで培われるレース技術と量産技術の関係性
- ヒュルケンベルグ、2年ぶり3度目の代役出場へ。ただ新規定F1マシンでの“ぶっつけ本番”はさすがに厳しい?
あなたの意見が聞きたい!
Motorsport.comで何を見たいですか?
5分間のアンケートにご協力ください。
- Motorsport.comチーム
コメントを読んで投稿する
関連ニュース :
記事をシェアもしくは保存
Copy link
Viberでシェア
前の記事 ヒュルケンベルグ、2年ぶり3度目の代役出場へ。ただ新規定F1マシンでの“ぶっつけ本番”はさすがに厳しい?
次の記事 新時代迎えるF1、TVグラフィックも一新! すべてのファンを魅了する?
Top Comments
コメントはまだありません。 最初のコメントを投稿しませんか?
View More & Comment

More from
Matt Somerfield

F1メカ解説|8種類のリヤウイングと14種類のビームウイングを投入したマクラーレン……2025年ダブルタイトルを目指し「デザイン上のリスク」を冒す
F1
F1 2024/12/24
F1メカ解説|8種類のリヤウイングと14種類のビームウイングを投入したマクラーレン……2025年ダブルタイトルを目指し「デザイン上のリスク」を冒す

F1メカ解説|2026年からの新レギュレーションF1マシン、デザインの自由度が増した? FIAが発表した新たなレンダリングを検証
F1
F1 2024/12/17
F1メカ解説|2026年からの新レギュレーションF1マシン、デザインの自由度が増した? FIAが発表した新たなレンダリングを検証

F1メカ解説|RBがシーズン最終戦に投入した”2025年に向けたテスト”用フロントウイング。その狙いは?
F1
F1 2024/12/15
F1メカ解説|RBがシーズン最終戦に投入した”2025年に向けたテスト”用フロントウイング。その狙いは?

More from
マクラーレン

予選3番手のオスカー・ピアストリ、Q2でローソンの走行を妨害し3グリッド降格処分「彼がどこからやってきたのか、よく分からない」
F1
F1
イタリアGP
2 時間前
予選3番手のオスカー・ピアストリ、Q2でローソンの走行を妨害し3グリッド降格処分「彼がどこからやってきたのか、よく分からない」

ブリアトーレ、ガスリーのモナコ3位に控訴したマクラーレンが裁判官と「深い繋がりあった」と会見で主張。同席マクラーレン代表は「侮辱的だ」と反論
F1
F1
イタリアGP
1 日前
ブリアトーレ、ガスリーのモナコ3位に控訴したマクラーレンが裁判官と「深い繋がりあった」と会見で主張。同席マクラーレン代表は「侮辱的だ」と反論

ノリス、3連勝は難しい? イタリアGP初日は苦戦「速いはずだと思っていたコーナーで遅い」
F1
F1
イタリアGP
1 日前
ノリス、3連勝は難しい? イタリアGP初日は苦戦「速いはずだと思っていたコーナーで遅い」
最新ニュース

マルク・マルケス、右腕の「本当の状態」を公開。写真で明らかになった衝撃的な姿
MotoGP
MGP MotoGP
アラゴンGP
32 分前
マルク・マルケス、右腕の「本当の状態」を公開。写真で明らかになった衝撃的な姿

ラッセル、メルセデスのチームプレイ封じたフェルスタッペンの動きに怒り「突然ブレーキを踏まれた」
F1
F1 F1
イタリアGP
56 分前
ラッセル、メルセデスのチームプレイ封じたフェルスタッペンの動きに怒り「突然ブレーキを踏まれた」

予選でラッセル助けたアントネッリ、”恩返し”を期待。「ジョージのためにベストを尽くした」
F1
F1 F1
イタリアGP
1 時間前
予選でラッセル助けたアントネッリ、”恩返し”を期待。「ジョージのためにベストを尽くした」

予選3番手のオスカー・ピアストリ、Q2でローソンの走行を妨害し3グリッド降格処分「彼がどこからやってきたのか、よく分からない」
F1
F1 F1
イタリアGP
2 時間前
予選3番手のオスカー・ピアストリ、Q2でローソンの走行を妨害し3グリッド降格処分「彼がどこからやってきたのか、よく分からない」
Subscribe and access Motorsport.com with your ad-blocker.
フォーミュラ 1 から MotoGP まで、私たちはパドックから直接報告します。あなたと同じように私たちのスポーツが大好きだからです。 専門的なジャーナリズムを提供し続けるために、当社のウェブサイトでは広告を使用しています。 それでも、広告なしのウェブサイトをお楽しみいただき、引き続き広告ブロッカーをご利用いただける機会を提供したいと考えています。
次の 2 つのオプションがあります。
- サブスクライバーになります。
- 広告ブロッカーを無効にします。
購読中 すでに購読していますか? ここからサインインします
広告ブロッカーを無効にしましたか?
ページをリロード
お知らせの管理
登録