マクラーレンF1、”画期的”なディフューザーを採用。他チームが真似をする?
今季のF1はダウンフォースを削減するため、空力のレギュレーションに変更が加えられた。しかし各チームはこのダウンフォースを取り戻すために、様々な解決策を採用。中でもマクラーレンはディフューザーに興味深い処理を施してきた。
写真:: Giorgio Piola
マクラーレンは、ダウンフォースを削減するための今季のレギュレーションに対応するため、興味深い処理を施したディフューザーを登場させてきた。
今季のF1は、新型コロナウイルスの影響により財政的に厳しい状況になった各チームを救うため、昨年型のマシンを基本的には継続使用することになっている。ただ空力開発は比較的自由であるため、ダウンフォースが増すのは間違いない……そんな状況に対処すべく、空力レギュレーションに変更が加えられた。
このダウンフォース削減のために制限が加えられたのはフロアやブレーキダクト、そしてディフューザーなどだが、ほとんどのチームはフロアに集中。様々な解決策を用意してきた。
しかしそんな中、マクラーレンはディフューザーに独特のソリューションを投入し、ライバルとは一線を画す方法に歩みを進めた。
ディフューザーは、F1マシンのフロア下を流れる空気を活用し、ダウンフォースを生み出すためのパーツだ。FIAはこの効果を減らすため、ディフューザー内部を分割するためのストレーキの高さを、昨年までより50mm短縮することを義務付けている。これによりディフューザー内部の整流効果が低くなり、発生するダウンフォース量も減ると考えられたのだ。
しかしマクラーレンは、このエリアに対する”巧妙な”解決策を見つけたようだ。彼らは、ストレーキの高さを短縮するために作られた理論上のカットラインの下に、ふたつのストレーキを設定するためのトリックを採用しているように見える。
彼らはフロアからディフューザーに遷移する部分を後方に延長。許されているよりも低い位置にストレーキ(白い矢印)を存在させることを可能にしたようだ。
この車体中心線に近い位置にある高さの長いストレーキは、ディフューザーが後方に向けて広がっていくにつれ、徐々に上方に跳ね上げられ、さらに外向きに方向が変えられている。
下の昨年モデルと比較すれば、車体中心線付近の左右ふたつのストレーキが、フロアに接続されるようになったのが良くわかるだろう。
McLaren MCL35 diffuser detail
Photo by: Giorgio Piola
また今季のレッドブルRB16Bのように、全てのストレーキの高さが同じソリューションとは対照的だとも言える。
Red Bull Racing RB16B rear detail
Photo by: Mark Sutton / Motorsport Images
マクラーレンが今回投入したアイデアは、他のチームによって間違いなく評価されるだろう。そして、パフォーマンス向上に寄与するのか、判断されることになるはずだ。
しかし今季のテスト日数は3日間と限られており、開幕戦までの期間も2週間を切っている。つまり、ライバルチームが開幕戦までにコンセプトをコピーできる可能性はほとんどない。
非常に効果的なモノであったとしても、ライバルが”真似”をするまでにはそれなりに時間がかかるだろう。
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