ファンの問題行動にF1ドライバーが流石に苦言……「”時と場合”があるし、別の領域に入ってしまっている」
ダニエル・リカルドはF1ファンがクラッシュ時に歓声を贈るような状況は受け入れがたいモノだと語っており、ドライバーも人間であることを忘れてしまっていると指摘した。
写真:: Zak Mauger / Motorsport Images
F1では最近、過激なファンの行動が問題視されているが、ダニエル・リカルド(マクラーレン)も、行き過ぎた行動は受け入れられるモノではなく、ドライバーも人間であることを忘れてしまっていると指摘した。
第11戦オーストリアGPでは、ルイス・ハミルトン(メルセデス)が予選中にクラッシュした際、観客からは歓声があがっていた。そしてその他にもハラスメント行為があったことが明らかとなり、F1側も声明を発する事態となった。
第10戦イギリスGPでもマックス・フェルスタッペン(レッドブル)がスピンした際に歓声があがっており、予選後のインタビューではブーイングが浴びせられるなど、ここ2戦では特にファン側の行為が問題視される状況にあったと言えるだろう。
ハミルトンとフェルスタッペンだけではなく、多くのドライバーが行き過ぎたファンの行動を問題視しているが、リカルドもそれに同意しており、度を越してしまうことを諌めている。
「この出来事だけど、ちょっと違う領域に入ってしまっていると思う……確かにライバル関係というのは素晴らしいものだけどね」
一連の出来事に対する見解を求められたリカルドは、motorsport.comにそう語った。
「ルイスとマックスの関係は、特に去年なんかはすごいものだった」
「どんなスポーツでもそうだけど、ファンやアンチはいるものだ。そしてコース上でのバトルは、応援されるかどうかにかかわらず、クールなモノだと思う」
「僕はブーイングを楽しんだことは一度もないし、ブーイングを認めようとも思わない。でももちろん、好きな人もいれば、必ずしもそれに同調しない人もいるだろう」
「だけど事故について言えば、これは”見たくないモノ”だと思うんだ」
「グランドスタンドのみんなや、彼らの感情をコントロールしようというつもりもない。ライバル関係という面では、それがスポーツを作っていることは明らかだし、ファンは自分の好きなドライバーを応援しているんだ。それを目にするのは良いことだ」
「でも、時と場合というのがあるだろうし、僕はそういうものを見たいとも思わない。言うまでもないけど、そういう状況に巻き込まれていないのは嬉しいよ。僕らは人間なんだ。それを忘れてはいけないと思う」
リカルドは観戦しつつの飲酒などで、こうしたタガの外れる瞬間があることは認めているが、分別を持とうと呼びかけている。
「一日中大勢の観客の中にいると、当然ビールやその他色々飲んだりする。それで隣の人がこれまで話してきたような行為をしていると、簡単に自分もしていいと思ってしまうだろう」
「だけど年をとって成熟すれば、15歳の時にしていたことが、30歳の大人になればすべきではないということは分かるようになるだろう。だから、もう少し分別を持つべきだ」
メルセデスのジョージ・ラッセルも、こうしたリカルドの”ドライバーも人間”ということファンが忘れてしまうという意見に同意している。
「サッカーであれモータースポーツであれ、壁の向こう側にいると、時にはその中にいるのが人間なんだということを忘れてしまうことがある」
「ドライバーも、エンジニアも、メディアもファンも僕らはみんな人間なんだ。そして、どんな理由であれ、ブーイングしたり(クラッシュに)歓声を送ったりする言い訳にはならない」
「僕たちはみんな、モータースポーツで命を危険にさらしているし、その危険性を理解している。時速300kmで走っていて、誰かがウォールにクラッシュした時に歓声を送るなんて……なんて言ったらいいか分からないよ」
そしてランド・ノリス(マクラーレン)も、ハミルトンのクラッシュに対する歓声に疑問を呈した。
「こういうのは見たくないモノだね。特に大きなクラッシュがあったときなんかは」と、ノリスは言う。
「こういったモノに対して何ができるかは分からない。でも良いことではないのは明らかだし、望んでいるわけでもない。でもそれが人生だとも感じるし、ファンも時にそうすることもあるんだろう」
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