何度も流さなくていいよ……リカルド、グロージャンの大事故リプレイに苦言

ルノーのダニエル・リカルドはF1バーレーンGPでロマン・グロージャンが大クラッシュを喫した後の中断時に、幾度もリプレイ映像を流したことは礼を失していると語った。

何度も流さなくていいよ……リカルド、グロージャンの大事故リプレイに苦言

 11月29日に行なわれたF1第15戦バーレーンGPの決勝では、1周目に大きなアクシデントが発生した。ターン3を抜けターン4に向かう際、ロマン・グロージャン(ハース)が進路を変え、ダニール・クビアト(アルファタウリ)と接触……コントロールを失ったグロージャンは、高速でコース右側のガードレールに激突し、マシンは真っ二つに分断され、その上炎上してしまった。

 グロージャンは幸運なことに、燃え盛るコックピットから自力で脱出することができ、マーシャルとメディカルチームによって救護された。彼は手と足首に火傷は負ったものの、命に別状はなかった。

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 レースはこの事故を受けて赤旗中断となり、破損したバリアの修復作業が迅速に行なわれた。しかしその修復には1時間以上の時間が必要とされた。

 その間国際映像では、グロージャンのクラッシュシーンのリプレイ映像が繰り返し流されており、ピットレーンに戻っていたドライバーたちもこの映像を目にしていた。

 しかし何度もこうしたリプレイ映像を流すことについて、ドライバーからは批判も寄せられている。ルノーのダニエル・リカルドはレース後、ZiggoTVに対しグロージャンの事故映像を何度も流すことは、彼の家族への思いやりが無いと批判的に語った。

「F1に対する嫌悪感や失望を表明したい」と、リカルドは言う。

「グロージャンの事故の様子が何度も何度もリプレイで放送されていたけど、あれは完全に彼の家族や、観戦している僕らの家族に対する思いやりが無いし、礼を失しているよ」

「僕らは1時間後にはまたレースに出るんだ。そしてTVを見るたび、彼のクルマは真っ二つになって、火に包まれる。僕が言いたいのはつまり、明日でもその映像は見れるんだから、僕らが今日見る必要はないだろう、ということだよ」

「僕にはそれがエンターテイメントにされていると思えた。彼らは僕らの感情全てを弄んでいて、僕としては本当に気分が悪くなった。だから他のドライバーも声を上げてくれればいいと思っている。でももし皆がそう感じていないようなら、驚きだ」

 MotoGPライダーも、かつて同じようなことを語っていた。レッドブルリンクで行なわれた今年のMotoGP第5戦オーストリアGPでは、ライダー2名が接触によって高速で転倒。グラベルを転がった無人のバイクが宙を舞い、前方を走行中のライダーの鼻先をかすめるという、非常に危険な事故が発生した。

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 当時MotoGPも、今回のグロージャンのクラッシュと同じように何度もリプレイ映像を放送したが、カル・クラッチロー(LCRホンダ)はこの行為について、ガレージで待機しているライダーやその家族にとっては“馬鹿げたモノ”と語っていた。

 メルセデスのバルテリ・ボッタスもこうした深刻なクラッシュのリプレイ映像の放送には批判的で、放送する際には制限があるべきだと語った。

「クラッシュがあって最終的にドライバーが無事だったとき、彼らはその映像を繰り返すことを好むんだ」と、ボッタスは言う。

「観客や視聴者はそれを見たいと思っているんだと僕は感じている。だけどそれには限度がある」

「ほんの少し違っていたら、彼はクルマから逃げ出せなかったかもしれないんだ。だから、それには限界があると思う」

「僕もスクリーンで映像は見た。それは何が起こったのかを確認したかったからだ。1度見てからは避けようとしていたんだけど、どこもかしこもリプレイを流していたんだ」

「分からない。恐らく視聴者やファンの人たちがリプレイを20回も見たいかどうかの問題なのかもしれない」

 ただメルセデス代表のトト・ウルフは、F1側が透明性を持ってこれらの映像を示すことが重要だとも付け加えている。

「仮にFOM(フォーミュラ・ワン・マネジメント)が(事故の映像を)出さなかった場合、誰かがスマートフォンで映像を撮影するだろう。だからF1側が透明性を持っている必要がある」

 ウルフ代表はそう語る。

「これらの映像は恐ろしく、生々しいものだった。だが組織として透明性が無いと、他の誰かがF1がコントロールできないモノを示してしまうリスクを冒してしまうだけなんだ」

 

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この記事について

シリーズ F1
イベント バーレーンGP
ドライバー ダニエル リカルド , ロマン グロージャン
執筆者 James Newbold