両親とも友人とも会えず逃げ場がない! リカルド「ホームシックになって大変だった」
マクラーレンのダニエル・リカルドは、新型コロナウイルスの世界的流行によって、家族など親しい人々と会えないことが、2021年のF1を戦う上で影響を与えていたと明かした。
写真:: Zak Mauger / Motorsport Images
F1の2021年シーズン、ダニエル・リカルドはルノーからマクラーレンへと移籍。シーズン序盤は苦戦していたが、後半に向けて調子を取り戻し、マクラーレンにとって2012年以来となる優勝も記録するなどジェットコースターのような1年を過ごした。
年間22戦と、非常に長いシーズンの戦いを終えたリカルド。彼は2021年に直面した課題のひとつとして、新型コロナウイルスによる渡航制限のため、母国オーストラリアの家族や友人に会えずにいたことがあると明かした。
彼は最終戦アブダビGPの際には、2020年6月から両親にすら会っていないため、シーズン終了後にはたとえ2週間の隔離措置を受け、”ホテルの天井を見つめる”ことになろうとも、母国へと戻るつもりだと話していた。
昨年末、motorsport.comなどメディアの取材を受け、シーズンを振り返ったリカルドは、母国の家族や友人に会えないことで「多分初めてホームシックになっていた」と語った。
「”ホームシック”と言うとなんだか大げさに聞こえるかもしれない。でも家族が恋しかったのは本当なんだ」
「普段だったら、両親と会いたいなら『飛行機のチケットを買っておいたから、乗ってきてね!』と言えばいいだけだった」
「だからそうした事ができないというのは、凄くストレスの溜まるモノだった。自分ではコントロールできないことだからね」
またそうしたF1ドライバーが直面する”人間的な要素”が、軽視されていると思うかと訊かれると、リカルドはそれを肯定し、TV越しでは伝わらない部分だと語った。
Daniel Ricciardo, McLaren
Photo by: Zak Mauger / Motorsport Images
「ああ、そう思う。TVなんかでスポットライトを浴びる人は誰であれ、外部からは本当に人間だとは思われない時がある」
「つまり、例えば俳優なら、ブラッド・ピットだ。彼はスーパーマンで、何でもできると、感情的になったり悲しんだりしないと思うようにね」
「でも記者の皆さんなら分かっていると思うけど、僕らは旅続きだから、愛する人に会えないこともある。そういうのが続くと、キツイんだ」
「ドライビングに影響があるとは断言できない。でも上手くいっていないときには影響がある。そうした時にはサポートや、家族の愛情が欲しいからだ」
「それに上手くいってないときには、凄く孤独感が感じられるんだ」
「家族や友人というのは、助けになってくれる要素だ。彼らが近くに居てくれれば、低迷や落ち込んだ気分からより速く抜け出す助けになっていたと思う」
またリカルドは2021年シーズン序盤の厳しいスタートが、こうして家族から離れていたことのせいにはしたくないとしているが、可能な限り最高の精神状態で挑むという点では、状況は多少難しくなったと語った。
「何事であれ、良いパフォーマンスを出すには良い精神状態であることが必要だ」
「だから普段の生活や人間関係が上手くいってないといけないし、そうしたモノはトレーニングやエネルギー、気分なんかに全て反映されるんだ」
「家族が周囲にいない事自体には慣れている。でも繰り返しになるけど、こんなにも長い期間だったことで、恋しくもなった。故郷の友人と会ってくることもできないし、どこかへ行って、逃げるわけじゃないけどF1以外の事を考えることもできなかった」
「こういった部分で、前半戦はより負担が大きくなった。エネルギーやポジティブさ、そういったモノを湧き上がらせるのは難しくなっていたと思う」
「そのためのやり方は見つけているけど、もっと一生懸命に取り組む必要があった。だから、それ自体が負担になっていたんじゃないかな」
Be part of Motorsport community
Join the conversationShare Or Save This Story
Subscribe and access Motorsport.com with your ad-blocker.
フォーミュラ 1 から MotoGP まで、私たちはパドックから直接報告します。あなたと同じように私たちのスポーツが大好きだからです。 専門的なジャーナリズムを提供し続けるために、当社のウェブサイトでは広告を使用しています。 それでも、広告なしのウェブサイトをお楽しみいただき、引き続き広告ブロッカーをご利用いただける機会を提供したいと考えています。
Top Comments