マクラーレンのリカルド「がっかり」、超絶スタートが台無しに……PUのパワーダウンで入賞失う
マクラーレンのダニエル・リカルドは、シュタイアーマルクGPで素晴らしいスタートを切ったにも関わらず、パワーユニットの問題によって入賞圏内から脱落したことについて「がっかりした」と語った。
写真:: Charles Coates / Motorsport Images
マクラーレンのダニエル・リカルドは、シュタイアーマルクGPの決勝レースを13番グリッドからスタートしたものの、絶好の蹴り出しを見せて9番手までジャンプアップした。しかしその後、パワーユニット(PU)に問題が発生したことで、ペースダウン。結局13位でのフィニッシュとなった。
リカルドはこのPUの問題によりポジションを失ったことについて、がっかりしていると語った。
このPUの問題は、予選から起きていた可能性がある。リカルドは原因不明のパフォーマンスの低下に苦しめられ、予選13番手。チームメイトのランド・ノリスが4番手(メルセデスのバルテリ・ボッタスに3グリッド降格ペナルティが科されたため、スターティンググリッドは3番手)だったのとは対照的な形となった。
ただリカルドは素晴らしいスタートを決め、1周目に9番手までジャンプアップ。レースを進めていった。しかし7周目にパワーを失い、角田裕毅(アルファタウリ)ら4台に抜かれ、12番手まで落ちてしまった。
チームはすぐさま「ホワイト・デフォルト・ゼロ・ワン」、その後「ホワイト・デフォルト・エイト・ゼロ」と無線で指示を送り、リカルドはステアリングのスイッチを操作することで問題を解決した。その後はマシンを冷却するため、前を行くキミ・ライコネン(アルファロメオ)のスリップストリームに入らないようにという指示も飛んだ。
「僕は素晴らしいスタートを切り、ミディアムタイヤを履いて素晴らしい戦略を立てていたから、がっかりした」
リカルドはレース後、motorsport.comに対してそう語った。
「前を走っていたソフトタイヤを履いたマシンたちは苦戦しているように見えたので、とても良いポジションにいるように見えたんだ」
「僕らの目の前には、様々な可能性があった。でも、パワーを失ってしまったんだ。それを、ターン1から感じていたと思う。そしていくつかのスイッチを操作し、それを回復することができた。ターン7か8までの間にそれができたと思う。でも、1周目に抜いたみんなに、抜き返されてしまった。それで渋滞の中に詰まってしまい、それまで……僕の午後は終わってしまった」
「僕らは同じ戦略を採ったサインツ(カルロス・サインツJr./フェラーリ)よりも前にいた。彼は6位でフィニッシュした。本来ならばそれは僕らだったと思う。チームとして、5位と6位で終われたと思う。それよりも低い順位だった時、本当に気分も沈んでしまう。このスポーツではね。こういう日が来るのは、本当に求めていなかったことだ」
リカルドによれば、レースの残りの周回では、メルセデスのPUは完璧に機能したという。しかしフェラーリのシャルル・ルクレールに抜かれたことで、13位でのフィニッシュとなった。
「その後は大丈夫だった」
そうリカルドは語った。
「ある意味では、もっと酷いことになることもあった」
「まだまだ長いレースが残っていた。でもその渋滞の中に入ってしまうと、誰もがDRSを使える状況にある。乱れのない空気はとても重要なんだ。動けないレースだったんだ。乱れた空気の中では、みんなのペースはかなり似通ったモノだったと思う。だから、その後は何もできなかった。レースは、スイッチを切り替えたように別物になってしまった」
これまでノリスに比べて予選でも苦労してきたリカルド。しかしチームは、その問題を理解する上で一歩前進することができたと語る。
「見逃していたいくつかの部分について、ある程度明確になった」
そうリカルドは説明する。
「まだまだ理解すべきことがあると思う。でも、セットアップの面でも、もう少しできることがあるだろう。来週に向けては大丈夫だと、楽観視しているよ」
「かなり快適だった。昨日(土曜日)は遅れたけど、日曜日は特に快適だった。良いスタートを決めるための準備も整っていた。そして、力強い1周目を走ることができたと思う」
レッドブルリンク連戦の2戦目にあたるオーストリアGPについて、リカルドは次のように付け加えた。
「今日は早くパドックから去りたい気分だけど、別のチャンスがあるというのは嬉しいことだ。土曜日も日曜日も、今回以上に良くなることができる……というだけだと思う」
「だから、もう一度やり直すために戻ってくるのを楽しみにしている。そして誰か、もしくはどこからかサポートが得られるといいね。どこからでも歓迎するよ!」
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