リカルド、角田との”いざこざ”へのチーム対応に満足「土曜の夜に終わったことだ」

　RBのダニエル・リカルドは、F1開幕戦バーレーンGP終盤のチームオーダーをめぐって生じた角田裕毅とのいざこざについて、「土曜の夜に終わったこと」だと語り、むしろチームの状態は良くなったと考えている。

　レース終盤、リカルドはソフトタイヤを履いて追い上げており、ケビン・マグヌッセン（ハース）の後ろを走る角田においついた。リカルドの方がマグヌッセンを抜ける可能性が高いことから、チームは角田にリカルドとのポジション入れ替えを命じた。

　角田はその判断に疑問を呈し、結局それに渋々応じた。しかし、リカルドがマグヌッセンに仕掛けられない様子を見て、無線で苛立ちを露わにした。

　チェッカーを受けた後のインラップでは、角田がタイヤをロックさせながらリカルドの前を横切るようにパスするというシーンも見られた。

　チーム代表のローラン・メキーズは、ドライバーたちを集めて何が起こったのかを話し合うことで事態を落ち着かせようとした。

　リカルドによると、この迅速な対応によってチームはすぐに誤解が解け、以前よりも強いチームになったという。

「レース終盤に起きたことは、そうだね。あまりいいものではなかった」

「でもその2時間後、ミーティングを終えて外に出てみると、土曜の朝よりもチームの状態は良くなっていた」

「ドライバーは決してチームオーダーを好まないものだから、すぐに反応しないこともある。そして僕はすべてが明確になったと思う」

「僕たちにとってあのことについて話し合うのは大切なことだった。インラップのことについても、たとえその場の勢いだったとしても、こうしたことが大きな結果を招く可能性もあるということをはっきりさせるためにね」

「だから僕たちは個人的に、非公開で、ドアを閉めて、とてもオープンに、透明性をもって話し合った。それは僕たちにとって正しいことだった。土曜の夜に、もう終わったことだと感じていたよ」

　2023年のシーズン後半にチームメイトとなって以来、角田との間に緊張が走ったのは初めてかと尋ねると、リカルドはmotorsport.comに次のように答えた。

「まだ数戦しかしていないけど、昨年はとてもスムーズだったと思う」

「僕は昨年に『よし、今年は問題が起きそうだ』という感じに思っていた。そしてこの週末にちょっとしたことがあった」

「でも、もし僕らがそれに対処せず、彼が踏みとどまったままだったりしたら、これは問題だと言うだろう。でも、僕たちふたりは一緒に部屋に座って、じっくりと話し合うことを望んでいたと思う。それが重要だったと思う」

　リカルドは、インラップでの角田の動きが驚きだったことを認めた。

「驚いたよ。だから無線で聞いたんだ。『一体何が起こっているんだ？』ってね。僕は少ししゃべったけど、すべてが放送されることは分かっているから、自分自身を止めようとしたんだ！」

「ヘルメットを脱いで、心拍数が少し下がったら話し合うことになるのは分かっていた。でもチームはレース後、本当にうまく対処してくれたと思う。僕たちをまとめ、テーブルの上に何も残さないようにしてくれた」

「僕たちはあの部屋に、どっちの味方だとか、自分はひどい目に遭わされたとか、敵意があるとか、そういった感情を置いてきたんだ。それにこれは開幕戦だ。チームの対応はとても良かったと思う」

　リカルドは、新チーム代表のメキーズとピーター・バイエルCEOによるチームの新しいリーダーシップがよく機能していると語った。

「正直なところ、どう対処されるのか興味があったんだ。レーシングドライバーは頑固なんだ。時には、『もういいや、このまま立ち去ろう。彼らが対処するだろう』と思うときもある」

「でも僕たちは部屋に連れてこられて、それについて話し合った。とても冷静で、落ち着いて、指をさすようなこともなかった。ただ、この件について話し合おうということだった」

「だからその部屋を出るときには、もっといい気分になっていたし、この小さな出来事による悪影響などまったくない状態でサウジに行けるとわかっている。だから良かったよ」

「もちろん、この件について質問されることは分かっていた。でも正直なところ、土曜の夜以来、それ以上の話はしていない」