ボッタス節はご勘弁……! リカルド、イタリアGP優勝後のメッセージの真相を語る「色んな意味をそこに込めたかった」
ダニエル・リカルドは、マクラーレンへの移籍1年目の前半での苦戦を経てイタリアGPで優勝した際に無線で発したメッセージについて「色んな意味をそこに込めたかった」と語った。
Daniel Ricciardo, McLaren, 1st position, performs a shoey on the podium
Steven Tee / Motorsport Images
2021年のイタリアGPで優勝を遂げたダニエル・リカルド(マクラーレン)が、シーズン前半戦での苦戦から優勝した際に放ったメッセージの真相を語った。
2021年シーズンからの3年契約でルノーからマクラーレンに移籍したリカルドだったが、当初はペースに伸び悩み、チームメイトのランド・ノリスがチームを牽引。獲得ポイントの大半もノリスが占めていた。
しかしリカルドは、サマーブレイク後のイタリアGPでマクラーレンに2012年ブラジルGP以来の勝利をもたらした。
リカルドの勝利は偶然ではなく、レース週末序盤から好調な走りを見せていた。彼は金曜日のノックアウト予選では5番手、スプリント予選レースでは3番手でフィニッシュ。ポールポジションのバルテリ・ボッタス(メルセデス)がパワーユニット交換で後方に下がったことでフロントロウからスタートした日曜日の決勝レースでは、オープニングラップのターン1でトップに立つと大半のラップをリードし、ファステストラップも携えてトップチェッカーを受けた。
拳を突き上げ、喜びを顕にした後リカルドは「僕は終わっちゃいない。ちょっとの間、寄り道していただけだ」と無線で印象的なメッセージを残した。
このメッセージについてリカルドは「その場の思いつき」であり、前任のパフォーマンス・コーチと観た映画からの引用ではあるものの、劇的なカムバックをよく表していたと語る。
「映画の中で出てきた『僕は決して終わっちゃいない。ただ寄り道をしただけだ!』ってセリフから引用したんだ。僕らはそれをジョークとして何度か話していたんだ」とシーズン終了後のインタビューでmotorsport.comを含むメディアに対して話した。
「『終わっちゃいない』っていうのはそこからもあるし、何も計画していなかったワケでもないんだ」
「(2020年ロシアGPでの)バルテリみたいに『関係者各位の皆様へ』みたいにはなりたくなかったから、躊躇したのかもしれないね。サウンドクリップで『くたばりやがれ!』ってなるのは嫌だし」
Daniel Ricciardo, McLaren MCL35M, Max Verstappen, Red Bull Racing RB16B, Lando Norris, McLaren MCL35M, Lewis Hamilton, Mercedes W12, Charles Leclerc, Ferrari SF21, and the rest of the field at the start
Photo by: Steve Etherington / Motorsport Images
「でも、僕のことを見限っていた人は多かったように感じていたし、あの週末は何かが僕を覆っている、心が晴れない気がしたんだ」
「結果には驚かなかったね。最終ラップのファステストでもね」
「色んなものをそこ(メッセージ)に込めたかったし、僕はただ主張したかっただけだった」
「だから最終的に『終わっちゃいない』ってなったんだけど、少なくとも自分の中では週末を通じて何らかの形で主張し続けられていたように思える」
シーズン後半では、リカルドはノリスを獲得ポイントで上回り(65pt対47pt)、「ほとんど笑い話」と彼が呼ぶ前半戦から挽回してみせた。
「(前半戦最後のハンガリーGPの後)飛行機に乗って、ヨーロッパで休暇を過ごしたことで穏やかな気持ちになれたんだ」とリカルドは語る。
「サマーブレイクが僕に必要なモノを与えてくれたように感じたよ。(後半戦最初の)スパでマシンに乗り込む時には、本当に変わったように感じられた。軽くなった気がしたよ」
「シーズン前半は、プレッシャーを感じていたんだと思う。その多くが取り除かれたのは良いことだった」
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