リオデジャネイロ、新サーキット建設を断念。F1開催目前まで進んだ計画は頓挫
ブラジルのリオデジャネイロ郊外にある森にサーキットを計画するという計画が中止されたと、自治体の関係者が明かした。
写真:: Divulgacao
ブラジルのリオデジャネイロではF1誘致に向け、郊外にサーキットを建設するという計画があったが、それは正式に中止されたようだ。
これまで約30年に渡ってブラジルGPを開催してきたインテルラゴスとF1の契約は、2020年で満了となる予定であった。昨年までF1のCEOを務めていたチェイス・キャリーは、そのタイミングでブラジルGPの開催地を資金難に苦しむインテルラゴスからリオデジャネイロに変更することを熱望しており、ジャイール・ボルソナーロ大統領もリオ開催をプッシュしていた。そういった背景もあり、昨年9月にはリオデジャネイロでF1を開催する方向でF1と現地プロモーターとの間で合意がなされていた。
サーキットの建設候補地として挙がっていたのは、リオデジャネイロのデオドロ地区にある土地で、そこはかつて軍が使用を放棄した後、2016年の夏季オリンピックの際に7人制ラグビー、ホッケー、近代五種などの会場として使用された土地だ。しかしながらサーキットを新たに建設することで、この土地にある森林地帯に大きな影響を与えることとなる。環境対策として新たな木を植えることが約束されていたが、地域住民からの反対は止まなかった。
この計画はまず州環境研究所(INEA)からの承認を受けた後、州環境管理委員会(CECA)からも承認を受ける必要があった。
キャリーがリオ州知事代行宛に昨年の9月14日付で送った手紙には次のように記されている。
「我々はリオ・モータースポーツ合同会社との間で、リオデジャネイロでのF1イベントを開催するためのレース契約を締結したことをお知らせする」
「これらの契約は、必要なライセンスが関係当局であるINEAとCECAから発行され次第、F1側ですぐに発表できるような準備ができている」
しかしながらライセンスの取得は困難を極め、キャリーはインテルラゴスでのグランプリ開催継続に舵を切った。そしてアブダビ政府が支援する企業を新たなプロモーターに付け、昨年12月にインテルラゴスでのレースを“サンパウロGP”という名称で開催する契約を交わした。
そして2月1日、リオデジャネイロの環境長官であるエドゥアルド・カヴァリエーレは、デオドロでのサーキット建設計画が今度進行しないことを認めた。
メルセデスのルイス・ハミルトンは、この件についてTwitterで次のように述べている。
「リオは持続可能な未来のために戦っている。カンボアタの森がレーストラックに取って代わられることはあってはならない。エドゥアルド・パエス市長のリーダーシップの下、建設のライセンスプロセスは正式に撤回された」
リバティ・メディアがF1のオーナーとなって以降、F1の開催計画が失敗したのはこれが3例目ということになる。ベトナムGPは支援者が起こした汚職事件の影響で開催が厳しくなっており、アメリカ・マイアミでのレースも地元住民の反対の影響で同様に厳しい状況にある。
ただ厳密に言えば、リオデジャネイロのプロモーターとF1との契約はデオドロでのサーキット建設計画と結びついていないため、理論上は市内の別の場所でレースを開催する可能性が残されている。
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