メキシコでのF1人気は健在。プロモーターは南北アメリカ大陸で「もう1レース開催できる」と相乗効果に期待
F1メキシコシティGPのプロモーターは、F1がさらなる市場拡大を目指すのであれば、南北アメリカ大陸でもう1レース開催する余地があると信じている。
2022年のF1メキシコシティGPは、3日間で39万7000人のファンを動員。2015年にカレンダーに復活して以来、高い人気を維持している。
メキシコでのファン人気は、隣国アメリカでのF1ブームの中で続いており、来年はアメリカ国内でマイアミ、オースティン、ラスベガスで3レースが開催される予定だ。また、カナダとブラジルでもグランプリが開催されるため、2023年には南北アメリカ大陸で6つのレースが行なわれることになる。
将来的なグランプリ開催に対して各国が関心を寄せているとされる中、メキシコシティGPのプロモーターであるCIEのアレハンドロ・ソベロンCEOは、アメリカ大陸にもうひとつイベントを追加する余地があると感じているようだ。
「我々は競争が大好きで、それは良いことだ。なぜなら、それによって健全性と警戒心を保つことができるからだ」
そうソベロンは語った。
「アメリカでの3戦は、以前は考えられなかったことだが、今では合理的にさえ見える」
「マイアミは大成功を収めると思う。それにオースティンの観客動員数を見ただろう。例年よりずっといいし、より強力なレースとなっている。ラスベガスのチケットの事前売上は大盛況だしね。だからこの地域、このタイムゾーンにとっては、とても良いことだと思う」
「カナダ、アメリカでの3戦、メキシコ、ブラジルときて、もう1戦やる余地があるのか、ということだ。個人的には、もう1回開催する余地はあると思う」
「しかし、同じタイムゾーンの他のレースと対戦する必要はない。同じ時間帯のレースでなくてもいいんだ。誰がリスクを負うことになるのか、そのオファーはどれほどの競争力を持つのか。非常に面白いことになりそうだ」
メキシコシティGPは、新たに3年の開催契約を結んだと発表。少なくとも2025年まではF1がエルマノス・ロドリゲス・サーキットに訪れることが確実となった。
しかしソベロンは、次の契約更新時には2024年の選挙を経て、新しい政府や市長が誕生している可能性があると説明している。
メキシコは当初、連邦政府が資金を提供する契約で2015年にカレンダーに復帰したが、政権交代により、メキシコシティ市が既存の契約と更新のためのレース資金の確保を引き継ぐことになったのだ。
ソベロンは、メキシコシティGPがどのような体制で開催されることになろうとも、国民の支持を受け続けることを確信している。
「彼らはチェコ(レッドブルのセルジオ・ペレス)が成し遂げたことを愛している」と、ソベロンは語った。
「これは素晴らしいショーであり、メキシコを世界にアピールする絶好の機会だ」
「今日、カレンダーに参加することに興味を持つ都市はますます増えている」
「基本的に、それによって誰もが動きを早める必要があり、それを実現するために利害関係のある同盟を作ろうとすることを意味すると私は思う。なぜなら、今日のF1は素晴らしいポジションにあるからだ」
F1は2023年に、史上最多の24戦を開催する予定だ。ラスベガスでの新イベントを追加し、中国とカタールをスケジュールに戻すことでコンコルド協定で定められた開催レース数の制限に達する。
F1はより多くの市場にリーチするため、特にヨーロッパでのレースを隔年で開催する、カレンダーのローテーションを検討していることが知られている。
もし必要であれば、将来的にメキシコもローテーションする可能性があるかと聞かれたソベロンは、次のように答えている。
「毎年、前年よりも早くチケットが完売するとなると、プロモーターとしては(ローテーションは)考えたくもないことだ」
「毎年レースができるのに、なぜ1年おきにしなければならないのか? 我々には非常に競争力があり、F1に多額のお金をもたらしている。素晴らしい市場だ。アメリカでの成功には、メキシコの市場が大きく関わっている。ヒスパニック系の人たちは、メキシコのレースがとても好きなんだ」
「しかし、一部の国は適切な資金を用意できていない。間違いなく、それ(ローテーション)は選択肢になるだろう」
「私は、レースが全くないよりは、隔年でレースを開催したほうがいいと思う」
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