どんどん重くなるF1マシン、安全面でももはや限界! ラッセル「いつか一線を超えてしまう」
ジョージ・ラッセルは、F1マシンの重量増加が安全性の問題につながる危険性を指摘。クラッシュした際の衝撃は増し、いつか一線を超えてしまうと語った。
F1マシンの重量は、レギュレーションが変更されるにつれて増加している。V8エンジン時代の2013年には642kgだった最低重量は、グラウンドエフェクトカーが導入された2022年には798kgとなっており、10年で156kgも増えているのだ。
本来、2022年の規定では車両の最低重量は795kgとされていた。しかし各チームが苦しんだポーパシングに対処するため、金属製のフロアステー追加が許可されたことや、いくつかの標準パーツが想定以上に重かったことで、3kg増加されることになったのだ。
またマシンの重量は、パフォーマンスの面でも重要な要素となった。開幕当初はアルファロメオを除く9チームが最低重量を下回ることができずに、妥協を強いられていた。18インチホイールや新しい安全構造の追加により、軽量化が難航したのだ。
グラウンドエフェクトカーは、フロア下で生まれるダウンフォースにより高速コーナーでは期待通りの性能を発揮するものの、低速コーナーでは動きが悪く、多くのドライバーから不満の声が上がっていた。ピレリのフロントタイヤもその一因ではあるが、マシンの重量が増えた影響も大きい。
マシンのハンドリングについての考えをmotorsport.comに語ったジョージ・ラッセル(メルセデス)は、「このレギュレーション変更から得られるポジティブなことはたくさんある」と述べた一方で、重くなり続けているマシンの重量がすぐに問題になりそうだという彼の考えを説明した。
F1ドライバーの団体GPDAの理事でもあるラッセルは、「大きな問題点は重量だ」と語った。
「重量が尋常じゃないんだ。今のところ、低速域での性能はあまり良くない」
「僕たちはクルマをますます安全にしているけど、クルマが重くなればなるほど、その衝撃は大きくなる。スマートカーとバスがクラッシュした時の違いのようにね」
「同じスピードで走るなら、15年前の650kgのクルマより、800kgや900kgを超えるクルマの方が衝撃は大きくなる」
「その線引きがどこにあるのか分からないから、適切なバランスを保つための分析が行なわれているのだろう」
「もしどんどんクルマが重くなって、それと一緒に安全対策を強化していくと、安全ではないほど重くなってしまうという一線を超えてしまうだろう」
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