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メルセデスの復活、捨てたゼロポッドと関係は薄い? “魔法”はフロアにあるとラッセル

メルセデスF1はスペインGPでダブル表彰台を獲得するなど、アップデートの効果が出ているように見られる。ただジョージ・ラッセルはこの好結果の鍵が“ゼロポッド”を捨てたことではないと主張している。

The car of George Russell, Mercedes F1 W14 in the pit lane

写真:: Mark Sutton / Motorsport Images

 メルセデスF1はF1第8戦スペインGPでダブル表彰台と、今季ベストのリザルトを達成。アップデートの効果が出ているように見えるが、目立つサイドポンツーンの変更が最大の要因ではないと彼らは主張している。

 2022年シーズンからメルセデスが採用してきた極端に小さなサイドポンツーン、通称ゼロポッド。彼らは2023年もコンセプトを継続していたが、序盤戦の苦戦から変更を決断し、第7戦モナコGPでアップデートを投入すると、レッドブルなどライバルが広く採用するダウンウォッシュ型を実装した。

 レッドブルが圧倒的な強さを見せる中、メルセデスはなぜもっと早くサイドポンツーンを変更しなかったのかと見る向きもある。

 ただメルセデスのエンジニアは現行のマシン規定では、マシン上面は空力能力の40%を構成するもので、残る能力はフロアから生み出されていると考えている。

 ドライバーのジョージ・ラッセルも、今回の好結果はサイドポンツーンの変更によってのみ生み出されたものではないと語っている。

「違いを生み出しているのはサイドポンツーンじゃない。要素ではあるかもしれないけど、サイドポンツーンに“魔法”があるわけじゃないんだ」

 なぜチームがより早く空力哲学を変更しなかったのかと訊かれたラッセルは、そう答えた。

「僕らはサイドポンツーンを排除するために、そのデザインを持ち込んだ。“魔法”はクルマの床下で行なわれているんだ。そして、それはどのチームであっても同じことだ」

George Russell, Mercedes F1 W14

George Russell, Mercedes F1 W14

Photo by: Jake Grant / Motorsport Images

 なおラッセルは、たとえレッドブルのRB19がサイドポンツーン無しのデザインで登場したとしても、スペインGP勝者のマックス・フェルスタッペンは24秒差で優勝できただろうと、冗談めかして語っている。

「レッドブルなら、サイドポンツーンが無くても最速になれると確信している」

「そうは言ったものの、チームの仕事ぶりには本当に満足しているし、僕らが正しい方向に踏み出したことが証明されたと思う」

 さらにラッセルは、マシンが改善されたとは言えフェルスタッペンとはまだかなりの差があることを認めている。ただ、それでも最近の進歩はメルセデスが「勝利を目標にしている」ことを意味していると語った。

「(バルセロナで)絶対に前進できるという自信があった。アップデートのあった今週末のレースペースは本当に強かったんだ」

「予選の結果(12番手)には本当にがっかりしているけど、信じ続けることが必要だということが示されたと思う。新しい1日が始まっていて、そこにはチャンスがあるんだ」

「条件はすべてクリアされた。マシンは速かったし、良いオーバーテイクもできた……とても楽しめるレースだったよ」

 
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