チームメイトのサポートにライバルの邪魔……予選で“暗躍”したサインツJr.「妙なプランだったけど上手くいった」
カルロス・サインツJr.はトルコGP予選を振り返り、フェラーリの戦略が「Q2へ進むライバル達を少なくすること」という奇妙なものだったと語った。
写真:: Zak Mauger / Motorsport Images
F1第16戦トルコGP予選で、フェラーリのカルロス・サインツJr.はQ2を15番手タイムで終了。パワーユニット交換でグリッド降格が決まっていたにもかかわらず、アタックを行なった理由を明かした。
今回サインツJr.のマシンには新型PUが投入されており、予選前の段階で決勝の最後尾スタートが決まっていた。通常、こうした状態では予選Q1は形だけの走行に終止することが多いが、サインツJr.はQ1を9番手で突破。Q2へと駒を進めている。
つまりライバルのQ2進出の“枠”をひとつ奪ったわけだが、16番手タイムとボーダーライン上でQ1脱落となったドライバーが、フェラーリとコンストラクターズタイトル3番手を争うマクラーレンのダニエル・リカルドだったため、この戦略は十分な成果をもたらしたと言えるだろう。
また、サインツJr.はQ2でも仕事をした。チームメイトのシャルル・ルクレールに対する牽引役となりスリップストリームを使えるようにして、彼のQ3進出の助けとなったのだ。
サインツJr.はmotorsport.comに対し、予選での戦略を次のように説明している。
「基本的にはチームメイトのQ2進出を確実にするために、速いタイムは出さないようにしていた」
「そしてシャルルが安全圏に入ったところで、プッシュして他のドライバーをQ2進出圏内から蹴落とそうとした。偶然だけど、その落ちたマシンには、僕らの直接のライバルであるダニエルが乗っていたんだ」
Charles Leclerc, Ferrari SF21, Carlos Sainz Jr., Ferrari SF21
Photo by: Mark Sutton / Motorsport Images
「つまりプランは完璧に実行されたということだ。それからQ2ではシャルルにトウを与えることもできた」
「それが今日僕らが計画していたプランだ。実際、ちょっと妙なプランだったけどチームや僕にとっては完璧に機能してくれた」
「今日はすべきことをした。言うまでもないけれど、今回のマシンはここ10戦でも最も競争力のある状態だったから、それで普通のセッションを過ごすことができなかったのはちょっと残念だ。でもそれはそれだ。明日も頑張っていくつもりだ」
サインツJr.は最後尾からの決勝レースがチャレンジングなものになると考えている。ただシミュレーションでは昨年のウエットレースのデータしか無いため、今年の改善された路面でのオーバーテイクがどの程度簡単なのかはわからないとも語っている。
「レースが楽しみだ」
「僕もシャルルのように3番手からスタートできればよかったとは思う。直接表彰台圏内でスタートできるなんて、最後尾からよりずっと良いからね」
「他にはペナルティを受けているひとはあまり多くないから、その点に期待することはできない」
「だから明日は完全にオーバーテイクがどの程度簡単なのか次第だ。すごく簡単にオーバーテイクできるなら、やれるだけやってみる。ターン8、ターン9でついていくのが難しいようなら、フラストレーションの溜まる午後になるだろうね」
「僕らのシミュレーションではオーバーテイクがどうかは予測できない。だからマシンのフィーリングや、どれくらい乱気流のなかでやらなきゃいけないかが問題になる。純粋なペースでは、僕らはトップ5も十分に行ける。でも最後尾スタートからでは取り戻すべきポジションがたくさんある」
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