クラシックF1のデモランは”リスク”になる……サインツJr.の複雑な心境
フェラーリのカルロス・サインツJr.は、チームメイトのシャルル・ルクレールがモナコで1974年のマシン『312B3』をクラッシュさせてしまった件について、複雑な心境を明かした。
写真:: ACM
シャルル・ルクレールは、最近フェラーリのクラシックF1マシンをドライブする機会が多くあった。フィオラノでは、ジル・ビルヌーブの没後40年を記念し、1979年の『312T4』を走らせた。
こちらはトラブルなく完了したが、トラブルが起きたのはモナコのヒストリックGP。ルクレールはニキ・ラウダが1974年にドライブした『312B3』でデモランをしたが、312B3の左フロントブレーキディスクが割れてしまったことで、ルクレールはスピンを喫してしまった。ラスカスのバリアにリヤからクラッシュしてしまったのだ。
貴重なマシンがダメージを負ってしまったものの、幸いスピードがそれほど出ていなかったこともあって、ルクレールに怪我はなかった。
Charles Leclerc, Ferrari 312 B3 after the crash
Photo by: ACM
近い将来、チームメイトのようにフェラーリのクラシックマシンをドライブしたいかと訊かれたカルロス・サインツJr.は、複雑な心境を明かした。
今季はフェラーリが競争力を発揮している中で、クラシックなマシンをテストするリスクを感じているようだ。
「過去に(クラシックF1マシンをテストする)機会があったんだ。一昔前のスポーツがどんなものだったかを知ることができるんだ」
そうサインツJr.はmotorsport.comに語った。
「でも僕は二の足を踏んでいる。なぜかというと、まずなぜリスクを冒すのか、と思ってしまうんだ」
「フェラーリでチャンピオンシップを勝ち取るチャンスがある最中に、なぜ彼(ルクレール)に起こったような事態に直面するリスクを冒す必要があるんだ?」
「それと同時に、そういうクルマに乗る機会が他にあるんだろうか、と考える」
「クラシックなF1マシンに飛び乗るたびに、そういうことが頭に浮かぶんだ」
サインツJr.はドライバーの本能として、ただ淡々と周回するのではなく、限界までプッシュするのが自然な反応だと話す。
「もし僕がクルマに飛び乗るなら、プッシュするつもりだ。肘を出して(カジュアルに)ドライブする方法なんて、僕には分からない」
「僕に出来るのは、クルマに飛び乗ってそのクルマがどんな感触なのか、試すことだけだ。そのたびにプッシュするつもりだけど、そういうことも起こりうる。疑問も残るし、それにどう答えたらいいか分からないんだ」
モナコGPでクラッシュを喫したルクレールは、ブレーキトラブルについて「あのタイミングで起きてラッキーだった。別の場所で起きていたら、良くなかっただろう」と語った。
当然のことながら、現代のマシンと比べればクラシックマシンの安全性能は低いと言わざるを得ないだろう。もしデモランでトラブルが起き、負傷してしまったら……自身のF1キャリア最高のマシンを手に入れている今季のサインツJr.にとって、それは無視できないリスクとなっているようだ。
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