たった2秒が遠かった……サインツJr.、ペレスに及ばず悔しいモナコ2位「周回遅れでロスしなければ勝てたはず」

　フェラーリのカルロス・サインツJr.は、2回目のアウトラップをクリーンに走ることができれば、F1モナコGPで勝てたはずだと考えている。 

　決勝レース前に降った大雨の影響により、フルウェットからドライにまで路面コンディションが急速に変化する中、各チームは正しいタイミングでマシンをピットに呼び込むことが求められた。 

　ポールスタートのシャルル・ルクレール（フェラーリ）はスタートから首位を守ったものの、ウエットタイヤからインターミディエイトタイヤに切り替えた際にセルジオ・ペレス（レッドブル）に先行を許した。その後のスリックタイヤへの切り替えでもタイミングが悪くマックス・フェルスタッペン（レッドブル）にも交わされ、4番手に転落していった。 

　一方で、ルクレールの後退によって首位に立ったサインツJr.には優勝を狙うチャンスが巡ってきた。 

　サインツJr.は21周目までウエットタイヤを引っ張りピットイン。ウエットタイヤから既にインターミディエイトに履き替えていたペレスがその翌周にピットへ飛び込み、ふたりはスリックタイヤに切り替えた。サインツJr.はアウトラップでタイムを稼ぎペレスの前でコースに合流することを目指したが、周回遅れの集団に遭遇。結果サインツJr.の2秒前でペレスはコースに戻り、赤旗中断後はペレスに追いすがるも抜き去ることは叶わなかった。 

「僕らはやるべきことを全てやり尽くしたと思う」とサインツJr.はレース後に悔しさを顔に浮かべながら語った。 

「ウェットで我慢してスリックに交換するという判断は正しかったと思うけど、酷いアウトラップだった。周回遅れのマシンに引っかかってしまったことが、今回の敗因だ」 

「アウトラップがクリーンなら勝てていたはずだから、悔しい気持ちが分かるだろう。でも、このスポーツは時々こういうことが起こるんだ」 

Carlos Sainz, Ferrari, 2nd position, Sergio Perez, Red Bull Racing, 1st position, Christian Horner, Team Principal, Red Bull Racing, Max Verstappen, Red Bull Racing, 3rd position, on the podium

Photo by: Zak Mauger / Motorsport Images

　多くのチームが乾き始めの路面でウエットタイヤからインターミディエイトタイヤへと切り替える中、サインツJr.はチーム側に対してウエットタイヤを引っ張り、スリックタイヤへ直接履き替えるべきだと無線で訴え、それを実行した。

　サインツJr.は第1スティントの段階から、インターミディエイトタイヤでのスティントをスキップすることで、順位を上げる可能性があると気づいていたという。 

「最初のスティントの半分くらいから僕は分かっていたよ。ドライの走行ラインが見え始めて、このままスリックタイヤに切り替えることになると理解し始めたんだ」とサインツJr.は言う。 

「基本的に僕らはレースをリードしていた訳だから、正しい判断だったと思う。ピットインしてハードタイヤを履いた。もちろん、ハードタイヤでのアウトラップは決して簡単なモノじゃない。でも周回遅れのマシンの後ろで12個くらいのコーナーを走ることになって、少なくとも数秒失った。それで優勝を逃したんだ」 

「とはいえ、僕はあまり文句を言うつもりはないよ。このスポーツはこういうモノだと分かっているからね」 

「チェコ（ペレスの愛称）はサウジアラビアGPでは不運だったけど、彼は今回素晴らしいレースをしたし、僕もツイていたね。その運がまた巡ってくるといいな」