
ジョルジョ・ピオラ【F1メカ解説】
F1メカ解説|超高速コースに向けて各チームが微調整。サウジアラビアGPピットレーン直送便
F1第2戦サウジアラビアGPの舞台は、超高速サーキットのジェッダ。各チームは限られた開発リソースの中から、コース特性に合わせた調整を行なってきている。

全開区間の多い超高速サーキットで行なわれるF1サウジアラビアGP。これまで各チームは低ダウンフォース、低ドラッグ(空気抵抗)のパッケージとするために専用のリヤウイングを持ち込んできていた。しかし昨今のコスト制限も相まって、レース毎にパーツを新造することなく、パフォーマンスを向上させる方法をそれぞれが模索するようになった。
例えばメルセデスは開幕戦バーレーンGPと同じ仕様のリヤウイングを持ち込んでいるが、ジェッダのコース特性に適応するために翼端板の上端後部をカットする(上写真矢印)などの改良を加えている。これは交換可能なパネルを使用したエンドプレートだからこそ実現できることだ。

Aston Martin AMR23 detail
Photo by: Uncredited
アストンマーチンもリヤウイングに手を加えている。アッパーフラップ中央部分の上端はドラッグを減らすために切り取られている。

Alpine A523 detail
Photo by: Uncredited
アルピーヌが持ち込んだサイドポッドのボディワークを見ると、冷却性能の向上を狙って大型の冷却口が備えられている。

Red Bull Racing RB19 brake drum detail
Photo by: Uncredited
レッドブルRB19のフロントブレーキのアッセンブリーを見てみよう。これは様々なダクト類が装着される前の状態だ。
キャリパーのデザインは限りなく軽量化を追求したものに見える。また冷却用のロッドのようなものが見受けられる点も興味深い。

Alpine A523 brake drum detail
Photo by: Uncredited
アルピーヌは今季もフロントブレーキのキャリパーを(車体右フロントから見て)3時の位置に配置。メインの吸気口へ冷気を供給するカーボンフェアリング、ディスクから発生した熱を逃すためのティアドロップ型ポートを採用している。

Ferrari SF-23 brake drum detail
Photo by: Uncredited
フェラーリのフロントブレーキは、キャリパーがアルピーヌのような水平ではなく、5時の位置にセットされている。周辺にはがっしりとしたフェアリングが取り付けられており、その熱が他の部品などに伝わらないような工夫がなされている。

Red Bull Racing RB19 detail
Photo by: Uncredited
こちらはシャシーに取り付けられていない状態のレッドブルRB19のリヤエンド。サスペンションエレメント、衝撃吸収構造の上に取り付けられたリヤウイングピラーを支えエキゾーストパイプを通すケージなどを観察することができる。

McLaren MCL60 brake drum detail
Photo by: Uncredited
マクラーレンのフロントブレーキアッセンブリーの構造はフェラーリとの共通点が多く見られる。吸気口から冷気を取り込み、後方にある排気口を通して熱を逃していく。

Alfa Romeo Racing C43 rear detail
Photo by: Uncredited
アルファロメオのリヤウイングにあるDRS作動ポッドを見ると、バーレーンでの仕様と若干の違いがある。従来のティアドロップ型から、よりシンプルでスッキリとした形状になっている。これも空気抵抗低減を考えての策か。

Aston Martin AMR23 nose detail
Photo by: Uncredited
アストンマーチンAMR23のフロントウイングを運ぶメカニックたち。普段見ることのないノーズの内部を見ることができる。

Aston Martin AMR23 brake drum detail
Photo by: Uncredited
AMR23のフロントブレーキアッセンブリーは、2022年と比べて大きく修正されている。キャリパーがより低い位置になっただけでなく、ブレーキディスクのフェアリングも採用されている。

Alfa Romeo Racing C43 detail
Photo by: Uncredited
アルファロメオC43のリヤブレーキにもブレーキディスクフェアリングが取り付けられている。これがあることで、ブレーキドラムの中に収納されている様々な部品にブレーキの熱が伝わりづらくなるのだ。

AlphaTauri AT04 detail
Photo by: Uncredited
アルファタウリAT04のラジエーター、冷却レイアウトを見てみよう。従来通り、パワーユニットにまたがる大型のサドルクーラーが採用されており、これによりサイドポッドのパッケージングの自由度が高くなっている。

Williams FW45 rear detail
Photo by: Uncredited
ウイリアムズFW45のリヤウイング。サウジアラビアに向けて低ダウンフォースのパッケージを持ち込んでいる。

Haas VF-23 rear detail
Photo by: Uncredited
ハースもストレートスピード向上を狙い、リヤウイングのアッパーフラップには空気抵抗になるガーニーフラップをつけていない……と思いきや、これはあくまで撮影された時点での状態。実際の走行ではガーニーフラップが装着されていた。
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