平均時速250kmで先の見えない市街地サーキットを攻める恐怖……F1サウジGPのコース調整は「ポジティブ」とサージェント
ウイリアムズのローガン・サージェントは、F1サウジアラビアGPの舞台であるジェッダ市街地サーキットが2023年大会に先駆けてコースレイアウトを調整したことで、「先の見えない恐怖」は軽減されたと言う。
F1サウジアラビアGPが開催されるジェッダ市街地サーキットは、2023年大会に向けてコースレイアウトを調整。安全性と視界が改善されたことで「先の見えない恐怖」が軽減されたとウイリアムズのローガン・サージェントは語っている。
平均時速250km/hとF1カレンダーでも屈指の超高速サーキットとして知られるジェッダ市街地サーキットは2021年に登場して以来、コースとウォールの距離が近いことでコーナーでの前方視界が悪いという批判を受けてきた。
2022年のサウジアラビアGPでも、ウォールを後方に下げてコース幅を増やすといったレイアウト変更が施されたものの、2023年大会に向けてさらなる改良が行なわれた。
特に左、右と高速で切り返すターン22-23のセクションでは、斜角が付けられた縁石の追加とウォール位置の変更によって、通過速度が約50km/hも減速された。
さらに、クイックなターン4ではウォールを7.5m、ターン20では5m後退させたことで視認性を向上させた。
2021年にHWA Racelabからこのサーキットを走り、昨年はカーリンからF2ジェッダ戦に出場したサージェントは、これらのコースレイアウト調整によって「先の見えない恐怖」が軽減されたと考えている。
motorsport.comがレイアウト調整が役立つかとサージェントに訊くと、彼は次のように答えた。
「ドライバーの観点から言えば、間違いなくポジティブな変更だと思う」
「視覚的により開けたことで、コーナーの向こうに何があるか分からないという、先の見えない恐怖感が少し取り除かれた」
「彼らはコーナー出口の縁石外側を高くして、結果として底づき防止を図っている」
「ドライバーとしては、より合理的でポジティブなことだと思う」
Logan Sargeant, Williams Racing
Photo by: Zak Mauger / Motorsport Images
ピアストリ「シミュレータではサウジの恐怖は再現できない」
コースレイアウトに変更が加わったとはいえ、ジェッダのサーキットは依然としてドライバーの間では畏怖の対象となっており、その”恐怖の要素”はシミュレータでは再現できるモノではないとマクラーレンのオスカー・ピアストリは言う。
サージェントと同じく、今季のF1ルーキーであるピアストリは、2021年のF2ジェッダ戦のスプリントレースとフィーチャーレースの両方を制し、その年のドライバーズチャンピオンに輝いている。
ただピアストリは2022年シーズンをアルピーヌのリザーブドライバーとして過ごしたため、まだ100%”レースモード”に戻れた訳ではないという。
F1マシンに慣れるためにも、ピアストリはチームのシミュレータで週末へ向けた準備を進めているものの、ウォールが迫るジェッダのサーキットで感じる「恐怖の要素」を再現することはできないという。
「風向きや路面のグリップなど、コンディションを完全に再現することは難しいんだ」とピアストリは言う。
「市街地サーキットでは、グリップは常に急速に変化している。それを再現するのは難しいんだ」
「シミュレータでは、恐怖の要素はあまりない。だからシミュレータでは少しのミスが許されるんだ。ただ、初めてサーキットを走る時は、自分なりに試行錯誤することが沢山あるんだ」
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