ベッテル、VSCシステムの”抜け道”を指摘。一方FIAは問題を認識せず
セバスチャン・ベッテルはVSCシステムには”抜け道”があると指摘したが、FIAはそれを否定している。
写真:: Andrew Hone / Motorsport Images
フェラーリのセバスチャン・ベッテルは、VSC (バーチャルセーフティカー)システムには抜け道が存在すると主張し、それを防ぐべきだと語った。
スペインGPの決勝レースではスタートでポジションをひとつ上げたベッテルだったが、レース後半のVSC導入中に2回目のピットストップを行ったことで順位を落とし、メルセデスの2台とマックス・フェルスタッペン(レッドブル)の後ろ、4位でレースを終えた。
ベッテルは、冷えたタイヤで2回目のピットストップを行ったことによりポジションを失ってしまったとミスを認めた。しかし彼は、VSCシステムを批判した。というのも、VSCにはドライバーが本来走るべき速さ以上の速度で走ることができてしまうという弱点があるのだという。
「全員にとって同じことではあるが、FIAは僕たちをデルタタイム(通常よりも速度を落としたタイム)に従わせるシステムを供給している。皆がスローダウンしなければならない。(速度の落とし幅は)40%くらいだと思う。でも全員が気がついているけど、デルタ(タイム差)に従うよりも、VSC中に速く走ることができる方法がある」
「その抜け道を使用できないようにするシステムを持つべきだ。なぜなら皆がそれをしているからだ。これはもはや秘密のことではないと思う」
「僕たちのスポーツは、余分なパフォーマンスを見出す状況を許してしまうソフトウェアよりも良い形であるべきだ」
ベッテルがFIAのセーフティカーに関する処置を非難したのはこれが2回目である。彼は中国GPでも、セーフティカーの出動のタイミングは”適切ではなかった”と話していた。
FIAのレースディレクターを務めるチャーリー・ホワイティングは、VSCシステムに特別な問題があるとは認識しておらず、特定のドライビングでシステムを操作することができるという意見に反対した。
「率直に言って、彼が何について話しているのかわからない」
「VSCには、30%スローダウンさせるマップがある。ドライバーはそれに従わなければならない」
「トラックを50m走行するごとに計測される。参考になるラップを計測し、プラス/マイナスを知らせるのだ」
「つまり50mごとに(規定を)上回っているのか、あるいは下回っているのかを知らされる」
「ドライバーはネガティブ(参考タイムよりも速く)に走ることは可能だが、各マーシャル区間と第1セーフティカーラインで一度ポジティブ(参考タイム通りに)になる限りは問題ない」
「たとえゆっくり走ったとしても、そのポイントからは何も得るものがない限り、問題はない」
「50mごとに計測されれば、トラック上で得たどんなアドバンテージも絶対に最小化されるだろう」
「彼の言っていることは多少理解できる。しかしレーシングラインというのは最も有利なものだ」
Additional reporting by Scott Mitchell and Roberto Chinchero
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