マクラーレン代表、F1のペナルティシステムは「見直しが必要」……ノリスは出場停止にリーチ
マクラーレンのチーム代表を務めるアンドレアス・ザイドルは、ランド・ノリスを出場停止の危機に追いやっているF1のライセンスシステムは「正しくない」と語った。

マクラーレンのアンドレアス・ザイドル代表は、同チームのランド・ノリスがレースへの出場停止までペナルティポイント2点まで迫っていることに関し、F1のライセンスシステムは「正しくない」と語った。
F1第9戦オーストリアGPの決勝レースで、ノリスはレッドブル・ホンダのセルジオ・ペレスをコース外に押し出したとして5秒のタイムペナルティと2点のペナルティポイントが科された。それにより、ノリスのペナルティポイントは累計10点となり、1レースの出場停止まで残り2点となっている。
ノリス自身も、こうした”深刻ではない”接触よりも誰かを危険に晒すようなインシデントにペナルティポイントは科されるべきだと苦言を呈している。
ペナルティポイントは付与から12ヵ月で失効するため、次戦イギリスGPを前に10点のうち2点は無効となる。ペナルティポイント8点という状況で迎える母国グランプリにマクラーレン代表は不満を隠せない。
ザイドルは危険ではない接触の積み重ねによって、ノリスのようなドライバーが出場停止の危機に追いやられることはあってはならないと考え、F1はライセンスシステムを見直す必要があると指摘している。
「私の意見では、(ライセンスシステムは)見直しの必要がある」と彼は語る。
「誰もが、あの(オーストリアでの)インシデントのようなことからレースへの出場停止処分が下るのは正しくないと思うだろう」
またザイドルは、ペレスとの交錯に関しFIAスチュワードがノリスにタイムペナルティを科したことについて、あまり良い印象を抱いていない。
ペナルティやレースに関する判断を行なう4人のスチュワードの内、ひとりはF1への出走経験を持つ者でなくてはならない。ザイドルは、オーストリアGPでそのドライバースチュワードを務めたデレック・ワーウィックが、なぜ単なるバトルと判断しなかったのかについて困惑しているという。
「正直言って、なぜ彼があそこでペナルティを食らったのかが理解できない」とザイドルは続けた。
「私としては、あれはレースの一部。我々みんなが望んでいるバトルだと考えている」
「ランドは何も間違ったことをしていなかったと思う。加えて、あれはみんなが(順位を)落ち着ける前のレース序盤。彼はただ走行ラインを走っていただけだった」
「彼は何も馬鹿げたことはしていなかったし、突っ込んだりした訳ではなかった。彼はずっとチェコ(編注:ペレスの愛称)と横並びで、少し前に出ていたりもした。だから正直、(ペナルティが)理解できないね」
「例えばオープニングラップのドライバーに何が起こっているのかについて、ドライバースチュワードがあまり関知しなかったことも理解できない。だから、この件に関してマイケル(マシ/FIAレースディレクター)から何が聞けるか楽しみだ」
第6戦アゼルバイジャンGPで赤旗掲示直後にピットへ入らなかったノリスにペナルティを科した理由として、「カート時代からみんなが知っているルールだ」とマシが説明したことを引き合いに出し、ザイドルは今回の件を「ドライバーがジュニア時代から知る“教訓”のひとつだ」と指摘した。
「マイケルの言葉を借りるならば、『カートを経験したドライバーなら、最初のラップでアウト側からコーナーを周り込んだらグラベルに入ることになるのは誰もが知っている』そうだ」とザイドルは説明する。
「レーシングラインにいたドライバーを非難することはできない」
「(ノリスは)2位になり得たから、残念だ。だがそれに加えて、ノリスにはあのような事に対して2点のペナルティポイントが与えられた。これによって彼はレースへの出場停止に近づくことになった」
「正直なところ、この(ライセンス)システムが適切なものであるかどうか、全体的にさらに検討する必要がある」
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