”F1コピー選手権”化を避けるため……マクラーレン代表、規則見直しの必要性を提言
マクラーレンのチーム代表であるアンドレアス・ザイドルは、チームが他のマシンをコピーできる範囲を制限するため、F1のテクニカルレギュレーションの内容を強化したいと考えているようだ。
Andreas Seidl, Team Principal, McLaren
Charles Coates / Motorsport Images
2020年のF1で大いに注目を集めているのが、レーシングポイントの最新マシンRP20だ。その速さのみならず、マシンの外観が昨年型のメルセデス” W10”に似ているため、”ピンク・メルセデス”と揶揄されている。そしてそのブレーキダクトは、他チームからの入手が許されていないパーツのリストに記載されているにもかかわらず、W10からのコピーになっているとして、ルノーF1が正式に抗議を提出することになった。
当のレーシングポイントは、今年のマシンの設計をするにあたって、メルセデスの昨年型マシンの”写真”を参考にしたことを公然と認めているが、これは、レギュレーションで許されている範囲内のことだと主張。また、ルノーから抗議されている件についても、懸念はないと自信を持っている。
マクラーレンのチーム代表であるアンドレアス・ザイドルは、レーシングポイントに対して抗議する”根拠”はないとしながらも、”コピー選手権”になる危険性があるため、F1の将来に向けてこの件は非常に重要であると指摘。F1ではこれまでにも、ある程度の”コピー”が行なわれ続けてきたと認めつつ、それがどこまで許されるのかを、しっかりと指定する必要があると主張する。
「F1には、コピーと言えるものが常に存在し続けてきた。それはF1の一部分でもある」
ザイドルはそう語った。
「ライバルが何をしようとしているのか、それを公開されている写真、そしてピットレーンやコースで撮った写真を見て、分析しようとしてきた。そういう写真から、パーツやマシン自体をコピーしても問題はないと思う」
「重要なのは、一般的に入手可能な情報を使うということを超えて行なわれるコピーについて、何ができるのかを明確にし、レギュレーションを変更するということだ」
「現時点では風洞の技術やその使用方法、マッピングなど、他チームから協力を得られることなで、まだまだ多くのことをできる余地がある」
「マシンの写真などについてアクセスする方法についてもそうだ。これは明確にしておく必要がある。F1が将来何を許可するのか、それについての明確な方向性を持っているのだから」
ルノーF1は、前述のとおりレーシングポイントのブレーキダクトがメルセデスからのコピーだとして、正式に抗議した。しかしその点のみならず、F1の将来と、チーム間の協力関係をどこまで許容するのか、それを定義する上で抗議が非常に重要であることを強調した。
ザイドル曰く、マクラーレンにとってもこれは依然として重要な問題のままであると語った。
「今回のことは、必ずしも合法か、それとも違法かということを判断するだけのことではない」
「何度も申し上げているように、現在のレギュレーションには、ピットレーンで写真を撮る以外にも、多くのことを行なう余地が残されているのだ。それが、これらのことを今すぐ明確にすることが重要であると、我々が考える理由なのだ」
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