マクラーレン代表、F1の将来に危機感「トップを争うためには、Bチームを持つことが必須だなんて……」
マクラーレンF1のアンドレアス・ザイドル代表は、F1でトップ争いをするためには、”Bチーム”を持つことが必須という形にならないことを願っていると語った。
Charles Leclerc, Ferrari F1-75, Kevin Magnussen, Haas VF-22, George Russell, Mercedes W13
Mark Sutton / Motorsport Images
マクラーレンのチーム代表を務めるアンドレアス・ザイドルは、F1がジュニアチームを持たなければトップ争いに加わることはできないという状況になることを危惧していると語った。
今シーズンのF1は、テクニカルレギュレーションが変更されたこともあり、勢力図が大きく変化。昨シーズンまでは苦しんでいたフェラーリが一躍先頭に躍り出て、チャンピオンシップをリードしている。
また昨シーズンは1ポイントも獲得できなかったハースも躍進。中団グループの上位を争う存在となった。
フェラーリとハースは協力な業務提携関係を結んでおり、パワーユニット(PU)とギヤボックスの供給だけではなく、その他のテクノロジーに関しても、ハースはフェラーリから広範囲にわたる協力を得ている。
マクラーレンは、メルセデスからPUの供給を受けているものの、それ以上の関係はない。ただ、F1参入を目指していると言われるアンドレッティと協力関係を結ぶのではないかという見方もある。
マクラーレンのザイドル代表は、どんな形のパートナーシップであっても、シニアチームにとってはジュニアチームを持つことがメリットになると語る。
「これには、ふたつの問題がある」
チーム間の関係性について尋ねられたザイドル代表は、そう語った。
「あえてBチームと言うが、その存在は、より少ない労力でパフォーマンスを向上させることができるはずだ。しかしさらに心配なのは、Aチームの方もその恩恵を受けるということだ」
「それは明らかに心配していることだ。チームとしての野心を持っている我々としてはね。例えば我々が目標としているのは、ふたつ目のチームを持たないということなんだ。なので、解決策が見つかることを願っている」
「F1が、最前線で戦うためにはふたつ目のチームを持つ必要があるということにならないのを願っている」
マクラーレンの立場は、ハースの躍進による影響を受けることはありえないとザイドル代表は主張する。
「F1がどういうモノであるかという原則の問題だ。FIAやチームは、F1の将来がどうあるべきかを決める必要がある」
「我々の立場は変わっておらず、チームの現在のパフォーマンスとは何も関係はない」
「繰り返しになるが、とにかく我々は明確にしておきたいのだ。レギュレーションがあり、それを満たしているのであれば、ハースは現時点で生み出す全ての結果に相応しいはずだ。それについて不平を言うつもりはない。しかし、我々はそうするつもりはないんだ」
「それは原則論だし、F1は将来どうあるべきかということに対する考え方次第だ。F1はコンストラクターのチャンピオンシップであるべきだと、我々は考えている。つまりマシンのパフォーマンスに関連する全てのモノ、全ての知的財産権は全てそれぞれのチームによって作られるモノであるべきだと思う」
「つまり、パワーユニットとギヤボックスの内部だけ、共有が許されるべきだと思う。それは理に適っている」
ザイドル代表は、風洞施設などを共有しているチームについて、特に警戒している。
「適切に監視できないことがたくさんあるため、インフラの共有などは禁止する必要があると思う」
「適切に取り締まることができないモノは、禁止にする必要がある。そうすれば、様々なことが明確になり、そこで何が起きているのかということについての議論も避けられるだろう」
一方でザイドル代表は、FIAがF1のファイナンシャル・レギュレーション(各チームの予算上限を設定するレギュレーション)を適切に監視できると確信しており、これによりチームの間で不正な協力関係がないことが保証されると考えている。
「我々は永続的な監査を受けている」
「そしてそのフィードバックは、双方向に向けられる。これは非常にありがたいことだ。そしてFIAは、このレギュレーションを立ち上げ、実際に実行する上で素晴らしい仕事をしていると思う」
「我々は、実際に良いシステムが整っていると確信している。この新しい時代の初めには、多くの説明が必要だ。そして多くの対話も必要なんだ。それにより、各チームが同じように理解することも明らかなことだ」
「セットアップはチームごとに異なるが、ピットレーン全体で公平な解決策を見出さなければいけない。しかし正直に言って、この件についての進捗については、非常に満足している」
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