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アイルトン・セナ、運命の選択。ホンダへの”忠誠”で選んだマクラーレン残留

アイルトン・セナは、1992年にウイリアムズへと移籍する準備ができていたものの、ホンダへの忠誠心から、マクラーレンに残ったと元マネージャーが語った。

Luke Smith Oleg Karpov

公開日時: 2020/05/02 11:19

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Ayrton Senna, McLaren MP4/7A

 26年前にこの世を去った稀代のF1スター、アイルトン・セナ。彼の元マネージャーであるジュリアン・ジャコビが、彼とホンダの絆に関するエピソードを語った。

 マクラーレン・ホンダに所属したセナは、1991年に自身3度目のチャンピオンを獲得したが、この年の終わりに契約が満了となるため、移籍も含めて選択肢を検討していた。

 セナはウイリアムズへの移籍を望んでいたと知られているが、結局彼のウイリアムズ入りが実現したのは1994年。そしてその年の第3戦、サンマリノGPで起きた事故により、彼はこの世を去った。

 ジャコビによれば、セナは1991年のベルギーGPを前に、ウイリアムズとマクラーレン、双方と契約を結ぶ準備ができている状態にあり、1992年にウイリアムズに移籍する可能性も十分にあったという。

「アイルトンはウイリアムズに行きたがっていたが、彼はホンダに対して誠実だった」と、ジャコビはF1のポッドキャストで語った。

「彼の本能はウイリアムズ行きを望んでいたが、彼は当時ホンダの社長だった川本信彦に対して、特に義理を感じていたんだ」

「アイルトンは彼と非常に親しかった。なぜならホンダはアイルトンと共に、1988年にマクラーレンに加わり、3度のチャンピオンを獲得したからだ」

「彼は1991年に3度目のチャンピオンを獲得したが、直感的にホンダの将来を心配していたんだ」

 ジャコビは、スパでのレースに先立ち、セナがウイリアムズへの移籍契約にサインすると考えていたようだ。しかし、セナが川本社長と電話をしたことで、状況が変わったという。

「私はスパに、ふたつの契約を持って行ったことを覚えている。ひとつはマクラーレンで、もうひとつはウイリアムズだ。私が思うに、アイルトンはウイリアムズに行くべきだと分かっていたと思う」

「どちらの契約もサインする準備はできていた。そして日曜日の朝、彼はウイリアムズとの契約にサインするつもりだと私は思っていたんだ」

「しかし彼は、日本にいる川本社長と一晩中話をした。日曜日の朝に私のところに来て、『もう1年残るつもりだ』と言ってマクラーレンと契約を延長したんだ」

 1992年は、ウイリアムズの『FW14B』が席巻したシーズンとなった。アクティブサスペンションを搭載したハイテクマシンを操ったナイジェル・マンセルが、16レース中9勝、14ポールポジションを記録。対してセナはわずか3勝、最終的なランキングは4位となった。

 ジャコビは、セナが1992年にウイリアムズに移籍していたら、マンセルはおそらくチームにいなかっただろうと述べた。

「アイルトンは1992年の時点でウイリアムズに行くことができた。そうなればおそらく、ナイジェルはそこにいなかっただろう」

「その年は、ナイジェルがチャンピオンシップを勝った年だ。しかしアイルトンが引いたので、マンセルが残ったんだ。川本社長がアイルトンをマクラーレンに残るよう説得し、ホンダもコミットし続けると約束した」

「それは本当に難しい決断だった。そして最終的に、その決断はアイルトン次第だった。我々にできることは、両方の選択肢を提示することだけだった。結局、彼は”忠誠”を選んだんだ」

 しかしホンダは、1992年のシーズン終了をもってF1から撤退。セナは、アラン・プロストが1992年にやったように、1993年を休息に充てることを考えた。

「ホンダは撤退を決定し、彼らがロン(デニス/当時のチーム代表)に撤退を伝える3ヵ月前に、アイルトンにそれを話していたと思う。そして、彼は酷く打ちのめされた」

「それから、我々は1993年の契約先を見つけなくてはいけなかった。アイルトンが1年間ドライブしない可能性はどれだけあったか? その答えはかなり高かったと言える」

 

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