ウイリアムズ売却問題、既に“真剣な”検討アリ? F1幹部明かす
F1のマネージングディレクターを務めるロス・ブラウンは、ウイリアムズF1チームの株式売却問題について、投資を検討している“相当に真剣な人々”がいると語った。
写真:: Andy Hone / Motorsport Images
ウイリアムズは5月末に、F1チームの株式売却を検討していることを明らかにし、完全にチームを売却する可能性もあるとされた。
チーム副代表のクレア・ウイリアムズは、タイトルスポンサーであるROKiTとの契約を解消したにも関わらず、2020年シーズンを争うための資金は確保されていると主張しており、株式の売却についても将来に向けた行動だと説明していた。なお彼らは直近で2800万ポンド(約37億円)の資金借り入れも行なっている。
現在F1は新たなコンコルド協定を結ぼうと模索しているタイミングであり、交渉をまとめるためには参戦10チームすべてが将来の展望に自信を持てるような内容になっていなければならないことを意味している。
新型コロナウイルスのパンデミックによって財政的な打撃を受ける中、マクラーレンCEOのザク・ブラウンは4月、危機を乗り越えるためにはルールの変更が不可欠だと警告。そして5月にはレギュレーションの変更が承認され、予算制限の上限額引き下げなどの措置がとられた。
F1のマネージングディレクターを務めるロス・ブラウンは、こうしたルール変更によってウイリアムズを含む全てのチームが将来に向けてコミットできるようになったと自信を示している。
「我々がやったことなしではより心配だったとは思うが、かなり安定している」と、ブラウンはmotorsport.comに語った。
「ウイリアムズの状況は、対処する必要があるモノだ。しかしウイリアムズ(を買収すること)をかなり真剣に見ている人々がいるし、それは真剣に検討させるだけの“まともな”モデルが背後にあることを示していると思う」
またブラウンは、自身がF1でのキャリアを歩みだしたウイリアムズに愛着を持っていると認めた上で、組織が変わっていかなければいけないと強調した。
「素晴らしい歴史を持つチームだし、当然ながら私は彼らに愛着がある。しかし現実としてF1はとても容赦の無いものであって、2週間毎、いやこれから先数ヵ月は毎週のようにトラック上で評価されるんだ」
「そこに隠れられる場所など無い。非常に率直に言えば、ここ数年のように最後尾でゴールしているなら、こういった結果になっていく。そして今、残念ながら彼らは来るところまで来てしまった」
「誰がウイリアムズに介入するとしても、なぜ彼らがパフォーマンスを発揮できなかったのか、根本的な理由を見つけなければならない。それが資金の問題なのか? それとも彼らの構造の問題なのか? 採ってきたアプローチなのか……正直、私にはわからない」
「だがそれを理解することが必要だ。問題は資金だけなのかもしれないし、追加の財務支援で競争力を高められるかもしれない。誰かがそこに介入し、何が起こっているのか理解する必要があるんだ」
F1チームの資金調達という点では、マクラーレンも同様だ。彼らも収益が大幅に下落しており、人員削減を行ない資金調達することを検討している。
ブラウンはこうしたF1に参戦する長い歴史を持つ2チームが同じような状況に置かれていることは、F1にとっても良いことではないと見ている。
「我々はそれを直すためにできることはすべて行なった。彼らは再び軌道に戻る必要があるだけだ」
「両方のチームはパフォーマンスが乏しかった。仮にマクラーレンがチャンピオンとなっていてもなおこの状況だったとしたら、F1には何か大きな問題があると言われるだろう」
「だが実際のところ、マクラーレンは過去数年間とてもパフォーマンスが悪かった。そしてさっきも言ったようにF1は残酷なんだ」
「F1ではタダ乗りというものはない。もし何年もそのレベルのパフォーマンスだったなら、スポンサーを失い、以前のような賞金も失う。悪循環に陥ってしまうのだ」
「偉大なチームがそうして止まってしまったなら、どこが間違っているのかを考えなくてはいけないだろう。しかし実際には、この2チームは何年もパフォーマンスを落としているのを見ているんだ」
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