もうF1には戻ってこれないかも……シロトキンは“セカンドキャリア”を歩み始める?
セルゲイ・シロトキンは、F1復帰への道が日に日に閉ざされていくことは、かなり辛いことであると認めた。
写真:: Mark Sutton / Motorsport Images
ロシア人レーシングドライバーのセルゲイ・シロトキンは、2018年の1シーズン限りでF1のレギュラーシートを失った。彼はF1に復帰するのは難しいと感じており、その現実はこれまで以上に重くのしかかっているようだ。
シロトキンは2015年、2016年と2年連続でGP2(現FIA F2)ランキング3位を獲得し、2018年にランス・ストロールのチームメイトとしてウイリアムズからF1デビューを果たした。
しかしウイリアムズが低迷期に入っていたこともあり、シロトキンはランキング20位(入賞1回)に終わった。そしてチームは翌年、ジョージ・ラッセルとロバート・クビサを起用することを決め、シロトキンはシートを失うこととなった。
その後シロトキンは2019年シーズンをルノーとマクラーレンのリザーブドライバーとして過ごしたが、2020年のレギュラーシート獲得には繋がらなかった。
ウイリアムズの戦闘力が著しく低かったとはいえ、シート喪失はシロトキンにとってキャリアの分岐点であったと言える。彼はmotorsport.comに対し、次のように語った。
「(シートを失った)この辛さは今後もっと大きくなってくるだろう」
「僕が入った時点でウイリアムズは競争力を失っていたし、次の年も状況が劇的に変わることはないだろうと思っていた。だから(ウイリアムズから離れて)1年の“ギャップ・イヤー”を作れば、ロバートとシート争いをするよりも良い選択肢があるんじゃないかと思っていた」
「しかし、高望みし過ぎていたということもあって、最終的に目標を達成することはできなかった。さらにもう1年を失うとなると、次の年(2021年)にグリッドに戻ってくることはかなり困難になるだろう」
「そんな感じで、夢は永遠に届かないものになってしまうのかもしれない」
「正直、それについて考えなければ良いだけなんだけど、時々それを思い出してしまう。僕にも感情はあるし、(F1)は僕の人生にとって重要なものだったから、この辛さはずっと残っていくだろう」
シロトキンは、24歳にしてそのような状況に直面することがF1というスポーツのひとつの特徴だと語り、こう続けた。
「僕が23歳から24歳の間に、人生をかけて取り組んだことがうまく行かなかった。それは辛い。本当に辛いことだ」
そんなシロトキンは2020年の活動計画を明らかにしていないが、モスクワを拠点とするSMPレーシングのカートアカデミーにコーチとして携わる予定だ。グランプリレースの世界から離れた彼にとって、それが“自分自身を表現する”方法だからだ。
「(レースを)モスクワから見ていると、F1がどんなものなのか忘れてしまう。一方でパドックに行けば、全てが懐かしく、馴染みのあるものたちばかりだ」
「でも、そこに僕の乗るマシンはなくて、僕は何もしていない。結局レースをTVかコンピューターで見るだけだ。それを受け入れるのは難しいと思ったんだ」
「ただやっぱり僕は、何らかの形でこの世界に関わり、みんなと連絡を取り合う方が好きだと思ったんだ。レースを家のソファで見るよりはね」
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