スパ・フランコルシャン、ラディオンのランオフエリア改良を前倒しで実施へ
スパ・フランコルシャンは、F2のレースで起きた死亡事故を受け、ランオフエリアの改良計画を今年中に整理することを目指している。

スパ・フランコルシャン・サーキットは有名なオールージュの先、上り坂終わりにあるコーナーであるラディオンのランオフエリアを変更し、グラベルトラップを設置する計画を、今年中に整理する方針のようだ。
8月31日(土)にF2のレース1で起きた大クラッシュによって、アントワーヌ・ユベールがこの世を去った。ユベールのマシンはラディオンのランオフエリアのバリアに激突。跳ね返ったところに、後続車が突っ込んでしまったのだ。
FIAはこのクラッシュに関する調査を既に進めている。その中で重要な問題のひとつは、ラディオンのランオフエリアのレイアウトと、そのランオフエリアがアスファルト舗装されていたことが事故の要因の一部だったのかどうかだ。
スパは既に、ラディオンのランオフエリアを2022年に改修する計画を立てていた。その年にFIM世界耐久選手権の1戦として、スパ24時間レースが開催される予定であり、バイクレース実施に向けて、コースをより安全にしようと取り組む計画だったのだ。
しかしユベールの悲劇をきっかけに、グラベルトラップの設計と、それが2022年よりも前に導入されるべきかについて、改めて調査が行われる可能性が高いようだ。
スパ・フランコルシャンのCEOであるナタリー・マイレは、ベルギーのベルガ通信に次のように語った。
「サーキットは、常にFIAと連携して安全性を向上させてきています。アクシデントの正確な原因に関する分析と報告を待つ必要があります」
「私たちは、FIMサーキットグレードCのライセンス獲得に向けて取り組んでいます。サーキットの公認についてはFIAやFIMと議論しているところであり、2022年に開催される予定のバイクにおける24時間レースに向けた作業を既に計画していました」
「ランオフエリアを拡大し、正面からの衝撃を受けづらくなるように慎重に設計が行われています」
「ラディオンのレイアウトを変更する予定はありません。ですが、グラベルトラップを設置することは確かです。バイクに関するレギュレーションはより厳格なのです」
マイレは、バイクレース開催に向けた安全性の改善は、他のレースにとっても有益だと考えている。
「サーキットをバイクレースに適合するように変更することは、4輪にとっても良い影響を及ぼすでしょう」と、彼女は付け加えた。
「グラベルトラップの正確な場所や深さ、コーナーのすべてをカバーする必要があるかどうかなどについて、議論が続けられています」
「年末までに計画の許可申請ができるよう、すべてをまとめられるように努めます」
「今回のアクシデントは、スパ・フランコルシャンでのF1の将来を疑わしいものにはしません。レーシングアクシデントでした。もちろん私たちみんな、起きてしまったことに悲しんでいます。私たちは、サーキットを改善し続けなければなりません」
近年、F1グランプリが開催されるサーキットでは、アスファルト舗装のランオフエリアが増え、グラベルトラップが減少していた。しかし、F1レースディレクターのマイケル・マシは、安全性の改善に終わりはないと明言した。
「安全性は常に進化していると思う」と、マシはメディアに語った。
「私よりも長い間F1レースに携わってきた人間は、ほとんど居ない。様々な技術や素材が使えるようになると、極めて短期間で安全性が向上してきたんだ」
「安全性は、常に進化しているプロセスだ。私にとって、終わりがあるようなものではない。以前にも行ったことがあるが、安全性の向上はFIAにとって中心的な柱のひとつであり、存在理由の一部なんだ」
「我々は引き続き調査を行い、出来る限りの改善を行っていく」
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