F1スペインGP開催地のカタルニア・サーキット、最終シケインを”外した”レイアウト承認を目指す「プロモーターが好きなレイアウトを使えるように」
F1スペインGPの開催地であるカタルニア・サーキットは、最終区間にあるシケインを排除するレイアウトで、グレード1ライセンスを取得することを検討しているようだ。
F1のスペインGP、そしてMotoGPのカタルニアGPの開催地となっている、スペイン・バルセロナ近郊のカタルニア・サーキット。F1のスペインGPでは最終コーナー手前に設けられたシケインを通過するレイアウトでグレード1のライセンスを取得しているが、将来的にシケインを使わない形でのグレード1認定を目指すことを検討しているようだ。
かつてカタルニア・サーキットでのスペインGPは、ターン13と14の高速コーナーを駆け抜け、メインストレートに至るというレイアウトだった。しかしメインストレートの速度を減らすことを目的に、2017年からはターン13とターン15の間にシケインを通過するレイアウトに変更。現在に至っている。
ただこのレイアウトは、魅力的なレースを演出するのにあまり貢献していないという批判も多かった。
シケインを設けることで、ストレートのスピードを落とすだけでなく、マシンの接近戦が増えるという期待もあった。しかし高い縁石を備えたシケインは非常に難しく、さらに後方を走るマシンが前方を走るマシンのスリップストリームの恩恵を受けるまでに時間がかかり、結果的にオーバーテイクが難しくなった。
そのため、本来のレイアウトに戻すことが長く検討されてきたが、あまり前進していない。
2021年当時、F1のレースディレクターを務めていたマイケル・マシは、分析を行なっていると語っていた。
「それは、我々がしばらくの間検討してきたモノだ」
そうマシは当時語っていた。
「ひと晩でできる変化ではないことは明らかだ。起こりうる全ての影響と、意図しない結果がどうなるかを検討している」
「全てのサーキットや様々なコーナーなどと同様、チームやドライバー、F1と協力して、最も安全なサーキットを確保すると共に、良いレースが繰り広げられるのを促進しなければいけない」
しかし今もサーキットの首脳陣たちは、シケインのないレイアウトで、FIAのグレード1ライセンスを取得することを目指しているという。F1を開催するためには、このグレード1ライセンスを取得しなければならないのだ。
サーキットの広報担当者は、motorsport.comの取材に次のように語った。
「シケインの部分を変更するわけではない。何が行なわれるかといえば、モーターレースの競技用に、シケインのないレイアウトの公認を得ることだ。それにより各プロモーターは、好きなレイアウトを使うことができる」
このエリアは、過去数年にわたって数多くの微調整を受けてきた。
MotoGPでは、2016年にMoto2ライダーのルイス・サロムの死亡事故が起きたことを受け、改造を受けたシケインが存在するレイアウトで2017年のグランプリを開催しようとした。しかしライダーたちはそのレイアウトに不満を訴えたため、金曜日の走行を終えた後、F1用シケインを使ったレイアウトに変更された。
その後グラベルトラップの面積を拡張するなど安全対策を講じたことで、MotoGPはシケインのないレイアウトに戻ることになった。
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