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自分の実力を確信できていなかった……ストロール、初のPP&2度の表彰台で自信深める

ランス・ストロールは、2020年に残した結果が「自分自身の能力に対する数多くの疑問に答えてくれた」と感じており、自信を深めたようだ。

Lance Stroll, Racing Point, 3rd position, with his trophy

写真:: Zak Mauger / Motorsport Images

 ランス・ストロールは2020年、F1キャリアで最高のシーズンを送った。レーシングポイントのマシン『RP20』はメルセデスの2019年マシンのコピーとも揶揄されたが戦闘力は高く、ストロールはトルコGPで初のポールポジションを獲得すると、3位表彰台も2回獲得した。

 レーシングポイントはブレーキダクトのコピーに関する訴訟に敗れ、コンストラクターズポイントを15点剥奪されてしまったことが影響し、マクラーレンにコンストラクターズランキング3位の座を奪われてしまったものの、彼らが2020年に遂げた進歩は大きなものであった。これは2018年にストロールの父ローレンスがオーナーとなったことによる財政的な恩恵も無関係ではないだろう。

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 ストロールはRP20がこれまでのF1キャリアの中で“断トツで”良いマシンであり、これまでパフォーマンスで劣るマシンに乗ることが多かった中で失っていた自信を取り戻すことができたと語った。

「良いマシンを手に入れれば、良い結果がついてくる。そしてそこから自信をつけることができるんだ」

 ストロールはmotorsport.comにそう話した。

「良くないマシンに乗っていると、むしろその逆になってしまう」

「特にキャリアの最初の頃は良くないマシンに乗っていて、良いマシンに乗ってみないと分からないことがあった。自分の能力はどのくらいなのか、良いマシンに乗っている他の人たちと同じくらいなのか、といった疑問が出てくるんだ」

「今年は多くのことを証明できたと思う。主に自分自身に対する多くの疑問の答えを出すことができた。ここ数シーズン、本当に結果を残せるマシンに乗れるまでは、色んなことを自問していたんだ」

 2017年にウイリアムズからF1デビューを果たしたストロールは、荒れた展開となったアゼルバイジャンGPでは3位に入り、史上最年少で表彰台を獲得したドライバーとなった。しかし2018年はチームの低迷に伴い成績も下降。入賞2回にとどまった。そして父のチーム買収に伴いレーシングポイントに加入し現在に至る。

 なかなか結果を出せないシーズンが続いていたということもあり、ストロール自身、自らの能力に対して“単純な疑問”を抱いていたという。

「僕には結果を出す力があるのだろうか?……とね」とストロール。

「前の方でフィニッシュする力はあるのか? 予選で上位に食い込む力はあるのか? そういった結果を残したことがなかったんだ」

「結果に限った話じゃない。速いマシンの感覚ってどんな感じなんだろう? それに乗ったらどれだけ速くなるんだろう、とかね」

「2020年のマシンに乗るまでそれは分からなかったけど、どれだけ違いがあるのか、自分のドライビングをどこまで向上させられるのかがようやく分かった」

「良いマシンに乗ることの最大の利点は、自分自身を解放できることだ。マシンを走らせる上で自信を持つことができる。コーナーをよりハードに攻めることができるし、マシンをよりハードにプッシュすることができるんだ」

「ドライバーとしてそういうことができるようになりたいと思っていた。良くないマシンに乗っている時には自信やプッシュする能力を奪われることがある。それはドライバーに大きな影響を与える」

 なお、レーシングポイントは2021年からアストンマーチンに改称し再出発。ストロールは4度のF1チャンピオンであるセバスチャン・ベッテルとコンビを組む。

 

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