F1 イギリスGP

F1、ドライバーの“心拍数”グラフィックス導入に慎重姿勢「生体データをどう見せるか注意せねば」直下のFIA F2で試験中

F1はドライバーの心拍数を国際放送に表示する計画を立てているものの、生体データの扱いについては慎重になる必要があると考えている。

THe drivers practice their start procedures at the end of FP1

 F1ドライバーがどれだけ攻めて走っているかを示す新たなグラフィックとして、F1は国際放送に心拍数を表示する計画を立てているものの、ドライバーの生体データを扱うことになるため、導入に慎重な姿勢を取っている。

 オーストリアGPの週末には、併催されたFIA F2でドライバーふたりの心拍数を表示する試験を開始。この技術がF1での使用に適しているか、確認が行なわれている。

 しかしF1は、心拍数モニタリングの技術的な側面だけでなく、生体データを公に晒されることを望まないドライバーもいる可能性があると認めている。

 プライバシーの問題だけでなく、仮に心拍数が上昇していることが放送されれば、ライバルが有利になると感じるドライバーもいるだろう。そして心拍数の変動には個人差も存在するのだ。

 F1のテクニカルプロデューサーであるジャスティン・ローリーはmotorsport.comの取材に対して、心拍数を公開する前に解決すべき問題があると語る。

「そのデータをどう見せるのか、編集上注意しなければならない要素があるのは明らかだ」とローリーは言う。

「ドライバーはひとりひとり違うし、身体的な違いもある。だから、今後このデータをどのように扱うかを決める際には、それら全てを考慮する必要がある。しかし基本的には、我々にとって新しくエキサイティングな分野だ。それがメインだ」

The Medical Car at the back of the grid for the start

The Medical Car at the back of the grid for the start

Photo by: Zak Mauger / Motorsport Images

 ローリー曰く、チームがライバルドライバーの心拍データを分析することで、自陣営のドライバーをさらに激しくプッシュさせることができるという。

「そうなる可能性は常にあると思う」とローリーは続ける。

「チームがスクリーンを見て、何が起こっているかを把握しているのは知っている。全てがアドバンテージになる。チームにとっては、どんな情報も役に立つのだ」

「我々は正しいやり方でプレーする必要がある。(映像)編集部門としては、適切なアプローチとバランスが見つかることを願っている。でも一番大事なのは、ドライバーの心情を視聴者に知ってもらうことだと思う。特にF1では、それが我々を次のステップへ導いてくれるだろう」

「F2パッケージで見られているモノが、F1で実際にそのまま使われるとは限らない。我々はまだこの技術を開発中で、データも開発中だ。この新しい情報によって、より多くの関心とワクワクが生まれることを期待している」

Frederik Vesti, PREMA Racing

Frederik Vesti, PREMA Racing

Photo by: Formula Motorsport Ltd

 F2では、今季のドライバーズランキングをリードするフレデリック・ベスティ(プレマ)が被験者のひとりに選ばれた。

「オーバーテイクしている時に心拍数が上がっているのを、レース中に10秒見ただけだ」

 ベスティはオーストリアでのレース後にそう語った。

「僕としては、かなりクールなことだと思う」

「装着した時の感覚については、もう少し改良が必要だと思うけど、スタート地点としては本当に良いと思う」

「正直なところ、ファンにとっては良い追加要素だと思う。僕らがどんなプレッシャーに晒されているのかが分かるよね。肉体的な過酷さだけでなく、精神的なプレッシャーもある。それをよく示していると思う」

 なお、ローリーは心拍数グラフィックスに対する好意的な反応には勇気づけられたとして、残りのシーズンでも試験を続けると語った。

「みんなとてもポジティブだったと思う」とローリーは言う。

「部門内では、ここにたどり着くために多くの作業が必要だった。それで我々はドライバーふたり(ベスティとテオ・プルシェール/ARTグランプリ)でテストをしてみた」

「できればF2で少し改良を重ね、F1へと繋げていきたい。上手くいけば、今後F1ドライバーに展開する良い勢いがつくだろう。それが最終的な目標だ」

 

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