変えれば全てが上手くいく訳じゃない。アルピーヌ代表、SC”パレードラップ”で入賞の可能性潰えるも「ルールはこのままで良い」
アルピーヌF1のオットマー・サフナウアー代表は、オーストラリアGP決勝が拍子抜けに終わったものの、チェッカー関連のルールは「今のままでいい」と考えている。
オーストラリア・メルボルンのアルバートパーク・サーキットで行なわれたF1 2023年シーズン第3戦オーストラリアGPの決勝レースは、3度の赤旗に8台のリタイアと荒れた展開となったが、最後はセーフティカー(SC)先導でのフィニッシュとなった。
あっけない幕引きとはなったものの、アルピーヌのオットマー・サフナウアー代表はレギュレーション変更の必要はないと考えている。
58周で争われた決勝レースでは、2度目の赤旗中断からのリスタートで多重クラッシュが発生し57周目に3度目の赤旗が提示された。クラッシュしたマシンの回収やコース清掃、そしてレース再開の手順や順位に関する議論によって30分のディレイが発生したものの、SC先導で走行再開……混乱を生き延びたドライバーがSC先導の隊列のままチェッカーフラッグを受けた。
リスタート時の多重クラッシュによってリタイアを喫していたアルピーヌのピエール・ガスリーは、SCに続いて最終ラップを走るライバルたちが順当にチェッカーを受けるのを見て、取材エリアを立ち去った。レースが再開されず自身がクラッシュする前まで結果が巻き戻される可能性がなくなったからだ。
レースは混乱に次ぐ混乱の末、あっけないSCフィニッシュとなったものの、FIAのレースコントロールは、レギュレーションに忠実に従ってレースを終わらせた。しかし、こうした混乱を繰り返さないために、レギュレーションそのものを見直す必要があるのではないかという疑問も投げかけられている。
一方、アルピーヌはこのレースでガスリーのみならずチームメイトのエステバン・オコンもクラッシュに終わったものの、サフナウアーは全てのシナリオを想定したルールを制定することは不可能だとして、レギュレーション変更の必要はないと考えている。
「この状況で『よし、じゃあルールを変えよう。そうすれば解決できるから』と言っても、その逆の状況に陥ることもある」とサフナウアーは言う。
「内容がどうであれ、ルールが定まっている以上、レース中にそれを変えることはできない」
「シーズン終了後に振り返れば、良いか悪いかは五分五分だろう。ある時は良い方向に働き、ある時は悪く作用するという、様々なシナリオがあるからね」
「だから、ルールは今のままで良いと思うんだ」
「本音を言えば、こういったシナリオもあるということだが……最初にルールを決めて、それを守る必要がある。もしその後にルールに目を向けるのであれば、それはそれで構わないし、スポーティングディレクターに見てもらえばいい」
Marshals remove the damaged car of Esteban Ocon, Alpine A523, from the circuit after the race
Photo by: Simon Galloway / Motorsport Images
そしてサフナウアーは、オーストラリアGPでアルピーヌの2台がまだポイント圏内に残っていた周回数を挙げて、次のようにジョークを放った
「もしルールを変えるなら、55周のレースに変えるね。私ならそうするよ」
また、最終ラップをSC先導で回る前、3度目の赤旗提示時点でレースを終了するよう訴えたのか、という質問に対してサフナウアーは次のように答えている。
「確かに、我々はプッシュした。上位にいたはずだったからね」
「2本目のセーフティカーラインがターン1の前にあって、ピエールはおそらく4番手辺りにいたはずだ。たしかに、そうするよう彼らに頼んだよ。あの時点では、何が起こるか分からない状態だったからね」
「でも彼らは正しい判断をしたと思う。あれはルールだから、ルールに従う必要がある」
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