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F1メカ解説:メルセデスが鈴鹿で見せた”反撃”

今シーズン夏休み明け、フェラーリに差をつけられることになったメルセデス。しかし日本GPでアップデートを投入。予選では差をつけられたものの、決勝ではタイヤマネジメントも活かし、勝利を手にした。彼らはどんな改良を施してきたのか?

Mercedes AMG F1 W10, barge board

写真:: Giorgio Piola

ジョルジョ・ピオラ【F1メカ解説】

Analysis provided by Giorgio Piola

 メルセデスはF1日本GPで1-3位フィニッシュを達成したことで、6年連続でのコンストラクターズチャンピオンを決めた。これは、フェラーリの1999年から2004年までと並び、F1における最長のコンストラクターズチャンピオン連続獲得記録ということになる。

 また、ルイス・ハミルトンも今季のドライバーズタイトル獲得に王手をかけている状態であり、これを達成すれば、メルセデスは史上初の6年連続ダブルタイトル獲得という偉業を成し遂げることになる。

 メルセデスが印象的なのは、レギュレーション変更を経てもなお、強さを発揮し続けてきたことだ。つまり彼らは、様々な状況に適応することができたということである。

 ただ今シーズンの夏休み明け以降は、急激な進歩を遂げたフェラーリの前に苦戦が続いていた。ただメルセデスは、手を拱いて見ているだけではなかった。状況を打破するため、日本GPに大きなアップデートを投入してきたのだ。

 メルセデスはこのアップデートにより、フェラーリを打ち負かすことを目指してたはずだ。しかしながら、今回投入されたアップデートは、短期間で準備できるようなものではない。これは、2019年の開発計画における、通過点だったはずだ。

メルセデスW10 フロントウイング:日本GP仕様
 空力パーツに小さな変更を加えただけでも、多くの場合マシンの他の部分にも大きな影響を及ぼすことになる。フロントウイングに変更が加えられた時には、より大きな影響を及ぼす。日本GPでメルセデスは、フロントウイングの翼端板外側に、小さなカナードを追加してきた。この部分では若干のリフト効果(ウイングが浮き上がる効果……つまりダウンフォースとは逆方向に力が加わる)を生み出すだろうが、その分気流を下向きに変更することができるはずだ。また、カナードの後方で空気の渦を生み、マシン後方に空力的な部分で影響している。さらに翼端板表面の圧力も調整しているだろう。
メルセデスW10 バージボードエリアの処理(従来仕様)
 現在のF1マシンで最も過激な開発競争が行われているのが、サイドポッド前方とその周辺である。各チームは目の前の問題を解決するため、常にこのエリアでの解決策を探っている。今年、レギュレーションはリセットされたが、このエリアにはあまり重きを置いていない。しかしチームは常にアプローチを再考し、空力的な連鎖反応を変更することで、マシンに変化を与えようとしている。日本GPでメルセデスは、前述の通りフロントにアップデートを持ち込んだが、これに伴う形でマシンの中央部、そしてマシンの後部にも変更を加えた。
メルセデスW10 バージボードエリア(日本GP仕様)
 メルセデスは、ディフレクターの一番外側に位置するパーツをほとんど変えてきた。これにより、フロントタイヤの後方で生み出される乱流を制御しているのだろう。
メルセデスW10 バージボードエリア(日本GP仕様)
(1)以前はフロアとコクピット横をつなぐL字型の形状をしていたポッドウイング。しかし日本GPに持ち込ま出たポッドウイングは2分割された。(2)このエリアでもっと前方に位置するバーチカルパネルは、従来通りのデザインが継続されたこのエリア唯一のパーツである。(3)バーチカルパネルと背の低い小さなディフレクターの間に、細い1枚のパーツが設けられ、両者をしっかりと繋いでいる。(4)ポッドウイングとパーチカルパネルを結ぶ細いパーツは、これまでよりも1本増やされて5本になった。(5)フロアの一番外が少しめくり上がるようになった。さらにこの直上にはディフレクターとポッドウイングを繋ぐ細いウイング状のパーツがありポッドウイングについてはこれを支点にしている。
メルセデスW10 フロアのアップデート(日本GP仕様)
 リヤホイールの内側、フロアの最後端に、新しいフィンが追加された(赤い矢印のもの)。これから判断するに、チームはリヤタイヤの内側の狭いところに向け、気流を流そうとしているようだ。この位置をうまく活用することで、ディフューザーをうまく機能させることにも繋がるはずだ。
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